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ホームインスペクション当日の流れや調査内容を解説!

2025.06.03
鳥居

WRITER

鳥居 龍人

二級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築事務所を経て株式会社テオリアハウスクリニックに入社。前職での現場監督経験から、施工から設計まで幅広い知識と経験を持つ。現在はその経験をもとに戸建て住宅のインスペクション業務に携わる。JSHI公認ホームインスペクター。既存住宅状況調査技術者。

「ホームインスペクションを依頼したけど、何か準備した方がいいの?」
「当日はどんな調査をするの?」

ホームインスペクションを初めて依頼する方にとっては、わからないことが多くて不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、ホームインスペクション当日の流れを中心に、調査当日までにしておいた方がいい事前準備から調査後の対応まで、分かりやすく解説いたします。

▼ホームインスペクションについてまずは詳しく知りたい方はこちら
ホームインスペクションとは?メリット・費用・流れを解説|e-LOUPE

当日までに準備すること

ホームインスペクションを依頼したものの「当日までに何か準備が必要なの?」「ちゃんと進められるか心配…」そんな不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

実際、調査当日までにいくつか確認・準備しておくと、当日の調査がスムーズに進むことがあります。ここでは、インスペクションの前に準備しておきたいポイントについて、以下の2点をご紹介します。

  • 図面や物件概要を準備する ー 物件の位置がわかる地図、図面など
  • 調査当日の参加者や設備を確認する  ー 施工会社の担当者や売主は同席するのか、電気や水道は利用できるかなど

図面や物件概要を準備する

ホームインスペクションを依頼する際は、物件に関する情報をまとめておきましょう。以下の書類を業者に共有することで、当日の調査をスムーズに進めることができます。

▼必要なもの
 □ 案内図 ー 物件の位置情報がわかる地図など
 □ 平面図 ー 間取りがわかる図面

▼あったほうが良いもの
 □ 立面図 ー 建物を横から見た図面
 □ 物件概要 ー 構造や都市計画区域など、物件に関する基本的な情報をまとめた書類
 □ 小屋伏せ図 ー 屋根裏の図面
 □ 基礎伏せ図 ー 床下の図面
 □ 矩計図(かなばかりず) ー 基礎から軒先まで建物を垂直に切断したときの断面図

新築住宅や住宅が密集している新興住宅地では、住所だけではたどり着けないことがあります。住所の情報が地図に更新されていないことが多いため、地図に印をつけた案内図があると安心です。

また、調査の精度を高めるために、立面図などの図面一式と物件概要なども準備しておくことをおすすめします。屋根裏や床下の調査を希望する場合は、「小屋伏せ図」「基礎伏せ図」「矩計図」などがあることによって、より詳しい調査を行うことができます。

図面が手元にない場合は、施工店や売主にご相談ください。

調査当日の参加者や設備を確認する

調査希望の物件が新築なのか、中古なのか、ご自宅なのかによって、準備や注意することが少し変わります。以下に事前に把握・共有しておくと良いことを、物件ごとにまとめました。

新築住宅の場合

新築住宅のホームインスペクションを依頼する際は、調査のタイミング当日の参加者について、あらかじめインスペクション業者に伝えておくことが大切です。

以下の点は、事前に施工会社や不動産会社に確認し、インスペクション業者へ共有しておきましょう。

 ・内覧会(完成見学会)のタイミングで調査するのか
 ・インスペクションだけのために別日程で実施するのか
 ・施工会社や不動産会社の担当者は同席するのか
 ・同席する場合は、いつまでその場にいるのか
 ・調査当日に施工中の場所はないか
 ・電気・水道・ガスなどの設備が使える状態かどうか
 ・立ち入り禁止の部屋や、触れてはいけない箇所があるか

施工会社や仲介業者の担当者は、ホームインスペクションの終了を待たずに、内覧会後すぐに別の予定に向かう場合があります。不具合が見つかった場合に備えて、できれば最後まで同席してもらえるよう調整しておくと安心です。
不具合の説明をその場で共有できれば、「補修が可能かどうか」「どのくらいの期間で対応できるか」といった具体的な話ができ、引き渡しまでのスケジュールも立てやすくなります。

また一部施工中の場合は、「調査で確認できない場所がないか」を事前に施工会社へ確認しておくと、当日の調査に支障が出ることを防げます。
たとえば、「床下調査を希望しているが、給排水工事がまだ終わっていない」といった場合、水漏れが発生していないかなどの確認ができなくなってしまう可能性があります。

すべての工事が完了してから調査を依頼する方が、調査内容に抜けがなくなり、より安心できますね。

中古住宅の場合

中古住宅のホームインスペクションを依頼する際は、物件が空き家か、売主が居住中かによって、事前に確認しておくべきことが異なります。

▼空き家の場合
 ・電気・水道・ガスなどの設備が使えるか
 ・過去にリフォームした箇所があるか

▼売主が居住中の場合
 ・電気・水道・ガスなどの設備が使えるか
 ・調査時に入れない部屋はないか

空き家の場合、基本的には立ち入りの制限が少なく、スムーズに調査を行いやすい状況です。
この場合は、「設備(電気・水道・ガス)は使用可能か」「過去のリフォーム履歴があるか」を事前に確認しておくと、より詳しい調査ができます。

売主がまだ居住している場合には、電気・水道・ガスなどの設備の使用に制限がかかることがあります。調査中の使用料は売主の負担になるケースが多いため、あらかじめ売主や不動産会社に「設備を使用してよいか」確認しておくと安心です。また、「当日調査できない場所がないか」も確認しておかないと、のちのちトラブルにつながる可能性があります。

調査結果次第で物件の購入を検討している場合、売主に結果を聞かれたくないこともあるかと思います。売主や仲介業者との関係性など、あらかじめ不安なことがあれば、相談しておきましょう
 

ご自宅の場合

ご自宅のホームインスペクションを依頼する場合、「住んでいて気になる点やお悩みなど共有する」ことをおすすめします。

「床が冷える」「結露が気になる」など、普段の暮らしの中で感じている悩みや気になる点があれば、事前に伝えておくことで、調査時にその原因や対策についてのアドバイスを受けることができます

リフォームを検討しているのであれば、修繕した際のおおよその費用感がわかるホームインスペクターを探してみると、より自分が知りたい情報が手に入るでしょう。

室内に家具がある場合のポイント

自宅や中古住宅を調査する際、家具が置いてあることで調査が十分にできないことがあります。雨漏れや建物の傾斜など、気になる箇所がはっきりとしている場合には、あらかじめ家具を移動したほうが良いこともあります。
事前に相談し、「どこの家具を動かしたほうが良いか」「点検口付近の荷物はどかしたほうが良いか」など確認しておきましょう。

ホームインスペクション当日の流れ

ここからは、ホームインスペクション当日の具体的な流れについてご説明します。
初めて調査に立ち会う方にとっては、「何を準備すればいいのか」「どんなふうに進むのか」などの疑問が多いのはないでしょうか。

この章では、以下の4つのポイントに分けて、当日のイメージがしやすくなるように詳しくご紹介します。

  • 当日の持ち物
  • e-LOUPEの調査内容について
  • 当日の流れ
  • 調査後の対応について

事前に知っておくことで、当日も落ち着いて対応しやすくなります。ぜひ参考にしてください。

当日の持ち物について

調査当日は、建物の各所をチェックするために以下の4つのアイテムを用意していきましょう。

  • 筆記用具
  • 図面
  • バインダー
  • マスキングテープ

これらは傷や汚れなどの位置をチェックすることに使用します。

傷など気になる場所にマスキングテープで目印を貼り、図面にメモを残しておきましょう。施工会社や仲介会社が代わりに記録してくれる場合もありますが、伝え漏れや貼り忘れがあると、引き渡し後に「直っていなかった」とトラブルになる可能性もあります。

できる限りご自身でチェックしながら記録・管理しておくことをおすすめします。

(写真)気になる場所にマスキングテープを貼り、視覚的にわかりやすくする

(写真)マスキングテープを貼った場所を図面に詳しく記しておくと◎

e-LOUPEの調査内容について

e-LOUPEでは、建物全体をバランスよく確認する調査を行っています。以下に各部位での主な調査内容をご紹介します。

【屋外の調査】

屋根・雨樋 屋根や雨樋の状態は、高所カメラを使用して安全かつ詳細に確認します。破損や歪み、設置不良などがないかをチェックします。
基礎 建物を支える基礎部分は、目視だけでなく鉄筋探査機を用いて、ひび割れや浮き、鉄筋の配置状況などを確認します。
外壁 外壁の割れや劣化、仕上げ材の浮きなどを確認します。必要に応じて高所カメラを使い、手の届かない部分までチェックします。
外構 水道メーターや桝(ます)、立水栓などの外まわりの給水設備も確認対象です。水漏れや設置状況に問題がないかを見極めます。

 

【室内の調査】

傾斜確認 床や壁などに傾きがないかを計測し、構造的な問題がないかを確認します。
建具確認 ドアや窓の開閉状態、建て付けのずれ、歪みなどをチェックします。スムーズに開閉できるかも重要なポイントです。
設備確認 キッチンや浴室、トイレなどの住宅設備が正常に使えるかを確認し、初期不良や設置ミス、劣化などがないかを見ていきます。

 

【床下・屋根裏の調査】

床下・屋根裏 点検口があり、進入できる場合には、ホームインスペクターが直接進入して内部を確認します。断熱材の施工状況や雨漏り跡、換気の状態、シロアリ被害の有無などを詳しく調べます。

 
 

当日の流れ

① 現地集合

当日は調査する物件に集合します。
ホームインスペクターは調査に必要な機材をのせた車で現地に伺います。
※物件の前に駐車できない場合は、近隣のコインパーキングを利用します。

② ご挨拶・調査内容のご説明

現地では、同席されているご依頼者様や関係者の方々にご挨拶をしたうえで、当日の調査内容と所要時間の目安をご説明いたします。
戸建て住宅の場合、調査にかかる時間は通常3〜4時間ほどです。
※不具合の数が多い場合や、詳細な確認が必要な場合には、予定より長くかかることもあります。

③ 調査開始

ホームインスペクションの作業

調査中、ご依頼者様は内装の傷や汚れをチェックするなど、ご自由にお過ごしいただけます。
昼食や休憩などで一時的に外出することも可能です。ご連絡先を伝えていただければ、調査終了の30分前を目安にご連絡します。
※脚立の使用や床下点検口を開放することがあるため、小さなお子様やご高齢の方がいらっしゃる場合は、十分にご注意ください。

④ 調査結果のご報告

調査終了後は、その場で結果をご報告します。
調査中に撮影した写真をタブレットで確認しながら、不具合の内容や状況についてご説明します。図面にて不具合箇所を記入しているため、位置の特定や修繕の相談がしやすくなるよう工夫しています。
施工会社の担当者が同席していれば、その場で情報共有や修繕対応の確認も可能です。

調査結果はあらためて報告書という形で共有します。
1週間程度で作成し、メールにてPDFデータを、その数日後に印刷・製本した同報告書を郵送にてお送りするので、データと紙の2媒体で報告書が届きます。

調査後の対応について

新築住宅の場合、インスペクションの結果をもとに、施工会社から修繕内容の説明があるのが一般的です。たとえば、基礎のひび割れはすぐ補修を行うが、クロスの隙間は「2年後の定期点検まで様子を見させてほしい」といった対応がよく見られます。

これらの是正工事に関して、適切に直してくれたのか判断するのは中々難しいですよね。

可能であれば、修繕前後の写真がついている是正報告書を施工会社に作成してもらい、ホームインスペクターに共有してください。内容を確認のうえ、適切に修繕されているかをチェックします。

最終確認として担当のホームインスペクターに是正報告書を見てもらえると、より安心できますね。

まとめ

ホームインスペクションは、住宅の状態を客観的に確認し、安心して住まいや取引の判断をするための大切な手段です。

「何を準備すればいいの?」「当日はどんなことをするの?」といった疑問が解消され、少しでも安心してインスペクションをご依頼いただけるきっかけとなれば幸いです。

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