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インスペクションで調査する建物の傾きについて

2020.08.17
傾きのちょうさ                                                                        
大原

WRITER

大原 卓也

一級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築設備会社を経て、株式会社テオリアハウスクリニックに入社。2013年より住宅インスペクション事業に携わる。住宅調査以外にも、不動産会社向けセミナーや建築士対象の研修会の講師も行う。JSHI公認ホームインスペクター。ドローン操縦士。

今回は、調査時に多くの方が気にされると思われる建物の「傾き」についてお話をさせていただきます。インスペクションの調査項目はおおまかに

  • 「構造」に関わる部分の調査
  • 「雨水の侵入」に関する調査
  • その他の「設備等」の調査

に分けられますが、構造に関わる部分の調査には「建物の傾斜」についての項目があります。床、壁、柱などの傾斜を実際に測定するのですが、ビー玉を床に置いて転がるシーンをメディアなどで見たことがある方もいるのではないでしょうか。家の傾きはその度合いによって地震に対しての危険性が高かったり、住まう人の日常の健康面も損なってしまう可能性があります。

インスペクションでの指摘とされる計測時の目安の数値は6/1000ミリ以上とされています。これは1メートルで6ミリの傾斜という事になりますが、実際これくらいの傾きだと多くの方が違和感を感じると思います。傾斜の原因は一概には言えず、職人の腕で誤差が生じている場合以外にも、重量物を置いたことによりその部分だけが沈んでいる場合や、木材の乾燥収縮により傾斜が起きていること、地震や不同沈下などが原因として考えられます。

構造部分の問題は直すのが難しい

問題は構造部分で影響が出ているかどうかなので、傾きが出たからといってすぐに「建物がダメだ」と心配するのではなく、どの程度の傾きがどの範囲で起きているのか確認しておくといいでしょう。なお、後から直したいと考えた場合、床組をやりかえるならまだしも全体の歪み、地盤の問題から傾斜を直そうとした場合はジャッキアップなど、数百万円から一千万円以上する場合もあります。

購入する建物が傾いてしまうリスクを減らすためにも、購入を考えた建物の傾斜の測定はもちろんのこと、地盤の強さの見当をつけるために、元々どういった地形だったのか(沼だったのか、田んぼかなど)を確認しておく事も必要だと思います。

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。