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インスペクション前に依頼主に伝えるべきこと

2020.08.17
重要書類と図面
大原

WRITER

大原 卓也

一級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築設備会社を経て、株式会社テオリアハウスクリニックに入社。2013年より住宅インスペクション事業に携わる。住宅調査以外にも、不動産会社向けセミナーや建築士対象の研修会の講師も行う。JSHI公認ホームインスペクター。ドローン操縦士。

インスペクションの際は、調査前に様々な説明事項をお伝えしますが、今回は依頼者が買い主だった場合に事前に売り主の方にお伝えするべき調査の際の注意点についてご紹介をしていきます。

売り主へ伝えること

売り主が業者者なのか、個人なのか、または空き家なのかでやや異なる点もありますが、大まかには以下の5点です。

  • 調査時間について
  • 調査範囲について
  • 撮影について
  • 設備機器の使用について
  • 各種申請の適用条件について

調査時間について

所要時間のイメージ

調査時間のお客様への伝え忘れや行き違いは、インスペクションにおける代表的なトラブルの火種です。調査の内容や建物の規模、そして建物の状態によって異なりますがおよそ2時間前後、長くなると3時間かかる場合もあります。

自分の家を色々と見て回られるということは精神的にも負担になることです。場合によっては10分程度で終わるだろうと思われる方もおられます。また調査後に予定を作られており「予定があるから1時間内で」となると十分な調査ができなくなるかもしれません。

トラブル防止のためにしっかりと調査時間をお客様に事前にお伝えすることが大切です。直接売り主の方と連絡を取らないのであれば、仲介会社の方へ伝えてもらいましょう。

調査範囲について

インスペクションの床下点検

「どこまで見るか」が具体的に伝わっていないことも、トラブルの火種となります。例えば、「「ひび割れが無いか見ます」と言っていたのに外だけしか確認しない」と思われたり、「「傾きを見ます」とは言っていたが、どの部屋をしらべるのか・・・」と感じる方もいるので「調査は基本的には全部屋で行う」ということをはっきりと伝えておく必要があります。

また、気をつけなければならないのが「給排水確認」「小屋裏確認」「床下確認」です。これらの点検の際は、どうしても収納スペースにも目を通すことになります。給排水確認の際はシンク下の収納部分を開けることになります。小屋裏への進入口がクローゼットや押し入れの中にある場合や、床下点検口に収納庫が取り付けられている場合は、収納されている荷物の出し入れをする必要があるかもしれません。

荷物を置いてある箇所を事前の説明なしに点検されると「いきなり見るのではなく事前に言ってほしい」「事前に準備をしておきたかった」と思ってしまう方が大半だと思います。調査員にとってみても、荷物を出す作業でかなり時間を要することになる場合もあるので、やはりあらかじめきちんと調査範囲を伝えておいたほうがいいでしょう。

撮影について

デジタルカメラ
インスペクションは報告書作成、記録を残すために写真撮影が必須です。滅多にないことだとは思いますが、「聞いていなかった」と撮影自体をさせてくれないケースもあるので、カメラの使用に関しても念のため、あらかじめ伝えておいた方がいいと思います。

設備機器の使用について

新しいキッチン
給排水の確認をはじめとした、設備機器を実際に使用しての調査の際に水、電気、ガスを使うことを事前に伝えておかなかったことでトラブルに繋がることもあります。
特にお風呂やトイレなどは、他人に入られることに対して抵抗を感じやすい場所です。できる限り事前にお伝えする事が望ましいと思います。

各種申請の適用条件について

寝たきりの病人がいるので入って欲しくない、などの理由で特定の部屋への進入や写真の撮影を断られる場合があるかもしれません。その際は周囲の状況のみで調査をすることになりますが、もし買い主が「瑕疵保険」の利用を考えていた場合、確認出来ない範囲があることで調査基準を満たすことが出来ない場合もありますので注意が必要です。

まとめ

今回ご紹介した内容は、いずれも当日のインスペクション開始時に伝える項目ではありますが、事前に伝えておくことで当日円滑に調査を実施することができ、売り主とのトラブル回避にも繋がると思います。インスペクションの依頼が決まった際は、これらの内容をなるべく早めに仲介会社の方に伝えてもらうことをおすすめいたします。

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。