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築20年の一戸建てはアリ?購入時のポイントを住宅診断士が解説

2023.04.01
鳥居

WRITER

鳥居 龍人

二級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築事務所を経て株式会社テオリアハウスクリニックに入社。前職での現場監督経験から、施工から設計まで幅広い知識と経験を持つ。現在はその経験をもとに戸建て住宅のインスペクション業務に携わる。JSHI公認ホームインスペクター。既存住宅状況調査技術者。

こんにちは。e-LOUPEの鳥居です。

今回は築20年ほどの一戸建てを購入する際に知っておくべきポイントをご紹介します。

最大のメリットは価格の安さ


新築や築浅ではなく築20年の中古住宅を購入する最大のメリットは「価格」です。

自分が大事にしたい部分だけをリフォームすれば、新築住宅の購入費用を下回らせつつ、理想の暮らしを実現させることができます。

近年は物価高の影響もあり、中古住宅の購入を検討される方が増えてきている印象を受けます。

もし「全部が新しくなくていいから価格を抑えたい」という場合は築20年ほどの住宅が狙い目といえるでしょう。

希望する地域での物件を見つけやすい

新しく住宅を建てるための土地には限りがあり、住みたい場所で新築が建つのを待つ、というのはあまり現実的ではありません。

築20年ほどの住宅であれば比較的住みたい地域での物件を見つけやすくなると思います。

もし、「どうしてもこの場所に住みたい」という明確な希望がある場合は築20年ほどの物件を調べてみると見つかりやすいかも知れません。

耐震性能は必ずチェック

築20年の一戸建てを購入を検討するのであれば必ず確認すべきは耐震性能です。

というのも、住宅購入において必須と言っていい住宅ローン減税を受けるには、1981年6月1日以降に建築確認がとれた「新耐震基準適合住宅」である必要があります。

購入予定の物件が耐震基準を満たしていることを事前にしっかりと確認しておきましょう。

将来の売却も視野に入れた方がいい

住宅の中には「再建築不可物件」「要セットバック物件」と呼ばれるものがあります。

再建築不可物件とは、一度今の家を解体すると新たな家を建てられない土地のこと

購入時の金額を大きく抑えられるメリットはあるものの、これらの住宅は通常よりも資産価値が低く、その分売却も難しくなる傾向にあります。

もし購入を想定している物件が上記に該当するのであれば、一度購入したら売却できなくなるリスクを想定しておいた方がいいでしょう。

中古住宅は不具合だらけ!?


築20年の住宅が安さの代償で抱えるのが様々な箇所で発生する不具合のリスクです。

不動産業者が「年代の割にはきれいな物件です」であったり「大丈夫ですよ」と言っていても実際は不具合だらけであることが非常に多く、また売主の意識としても「中古なんだから不具合なんてあるのが当たり前」という考え方であることが大半です。

もし建物で大きな不具合が発生していると、リフォームに必要な費用がどんどんかさんでいき、「あれ?新築とあまり変わらないな・・・」という状態になってしまうことも。

築20年のような住宅を購入する際は、何にせよ事前に建物の状態チェックが必須といえるでしょう。

どんなところで不具合が起きるのか、ホームインスペクションでの事例を交えつつこちらのページでも詳しくご紹介しています!

まとめ


築20年の住宅は「安さ」という非常に魅力的なメリットを持っています。一旦購入した後ゆっくり時間をかけながらリフォームしていくこともできるでしょう。

しかしその安さを帳消しにしてしまうだけの不具合が潜んでいるリスクがあることも事実です。また、中古住宅ではそういった不具合に対して売主からのサポートはほぼ期待できないと言っていいでしょう。

事前にしっかりと建物の状態を確認しておくことをおすすめします。

 

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。