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フローリングの気になる床鳴り、原因や注意点を住宅診断士が解説!

2023.04.01
鳥居

WRITER

鳥居 龍人

二級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築事務所を経て株式会社テオリアハウスクリニックに入社。前職での現場監督経験から、施工から設計まで幅広い知識と経験を持つ。現在はその経験をもとに戸建て住宅のインスペクション業務に携わる。JSHI公認ホームインスペクター。既存住宅状況調査技術者。

ある時期からフローリングで床鳴りがするようになったのですが、これは建物で問題が起きているからでしょうか?

こんにちは。e-LOUPEの鳥居です。今回はこのような疑問にお答えしていきます。

床鳴りの解消には原因の特定が重要


住宅の床鳴りにはさまざまな原因が考えられます。そのことから、まずは原因の究明が重要です。

住宅で床鳴りが発生する主な原因としては

  • 床材の伸縮や変形
  • 床材と土台部分の剥がれ
  • 釘のこすれ
  • 床下の土台の鳴り
  • シロアリ被害

などが考えられます。

まずは自分の住宅がどのパターンに該当するのか、見当をつける必要があります。

床鳴りの大抵の原因はフローリングにある

床鳴りの大抵の原因はフローリングにあります。

具体的には

  • フローリング材の伸縮
  • フローリングと土台の剥がれ
  • 釘のこすれ

などです。

フローリング材の伸縮
フローリングに使用される木材は、経年による乾燥や湿気で収縮・膨張します。これにより木材と木材がこすれ、床なりが発生してしまうことがあります。

この現象は新築でよく起こる傾向にあり、施工に特に問題があるわけではありません。

また時間の経過と共に落ち着くこともありますが住み始めてみて1年後に鳴り出すケースもあるため、タイミングが曖昧なところが判断が難しい部分です。

フローリングと土台の剥がれ
本来フローリングは土台にしっかりと固定されて施工されています。

しかし諸々の原因によりフローリングと土台がはがれてしまうと、床鳴りが発生します。

釘のこすれ
通常フローリングは釘によって固定されています。しかしその釘が下地となっている木材との隙間で摩擦し、床鳴りを発生させることがあります。

フローリング以外の部分に原因がある場合もある

稀なケースではありますが、フローリング以外の部分が原因で床なりが発生している場合もあります。

主な原因としては

  • 床を支える束の沈み込み
  • 土台の鳴り
  • 地固めの不足
  • シロアリ被害

などです。

床を支える束の沈み込み
戸建てでよく使用される樹脂束や鋼製束などは、本来しっかりとナットを締め付けて突っ張った状態で施工することが望ましい材料です。

しかし、上下のナットの緩みなどの影響で床がたわみやすくなり床鳴りに繋がってしまう場合があります。

土台の鳴り
床下で使われている土台などのこすれが原因で床鳴りが発生する場合があります。

原理としてはフローリングの収縮・膨張と同じで、周辺環境の影響によるものです。

床下地固めの不足
地固めが不足していることにより沈みや浮きが発生し、それが原因で床鳴りが発生している場合があります。
シロアリ被害
床下でシロアリ被害が発生して木材が痛み、床鳴りが発生している場合があります。

大抵の床鳴りは放置しても構造上問題ない

床鳴りの原因でよくあるのは「床材の伸縮や変形」です。

経年で床材内部の水分が抜けたり、季節によって湿気を含みやすかったりで材木の大きさに微妙な変化が生じることがあります。

木材そのものの乾燥収縮が原因である場合、その床鳴りは構造的な問題が発生しているわけではなく、放置しても問題がありません。

これは時間経過とともに自然と解消されることもあるため、まずは様子を見てみましょう。長い期間鳴り続けているようであれば、業者に相談することをおすすめします。

床鳴りは建物の劣化のサインかも

床下
床鳴りの中には建物の劣化のサインと解釈できるものもあります。

代表例がシロアリ被害です。

もし床鳴りの原因がシロアリによる木材の食害であった場合、放置すると建物にどんどん被害を及ぼし悪影響を与える可能性があります。

床鳴の修繕をするには?

そもそも床鳴りがするのを何とかしたい、という場合もあると思いますが、もし経ってからの年数が浅い建物であれば一度様子を見ることをおすすめします。

木材が段々馴染んできて、やがて床なりがおさまる場合もあります。

築年数がある程度経過した建物の場合、木材の収縮・膨張以外の原因である可能性も考えられます。その場合、市販の修復剤で対処したり、専門の業者に施工をしてもらうことで解消できると思われます。

まとめ


今回は住宅の床鳴りの原因について解説してきました。

放置しても問題がないケースが大半ですが、中には大きな不具合が発生している場合も考えられます。

もし築年数がある程度経過した建物であった場合、節目ととらえて建物の現状を把握するための調査を実施してみるのもいいかも知れません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。