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インスペクションにおける小屋裏調査の落とし穴

2018.11.01
天井点検口

小屋裏の調査範囲に注意!

インスペクションを依頼する上で、建物の調査範囲は提供する会社(調査員)によって異なるという事は覚えておいたほうがいいでしょう。購入される方がどこまで知りたいかによって依頼先を検討することをおすすめ致します。インスペクション会社により調査方法にばらつきが出やすい部位の例として、床下や小屋裏が挙げられます。

小屋裏の調査は危険が伴う

範囲外に問題の可能性

インスペクションでは床下と小屋裏については、点検口(天井裏と床下に進入するための入り口)から覗いて周辺の確認を行えば良しとされており、多くのインスペクション会社はそれに準じて、点検口からの目視のみで直接の進入は行わない、もしくはオプション制で検査には高額の別料金が必要である、となっている場合が大半です。これは、小屋裏の調査には危険が伴うことが理由として考えられます。小屋裏はホコリっぽいことが多く、夏場はサウナのようで外気以上の高温となります。また、梁というしっかりとした部材以外に体重をかけると、重みで割れてしまう可能性があり、天井材の厚さによっては最悪の場合、そのまま下の室内に落下する恐れもあります。その特殊性ゆえに、オプションとして料金を高く設定する場合が多いのです。

しかしながら、小屋裏と床下は問題が起きやすく、発見も遅くなりがちなので、注意が必要な箇所でもあります。その部分を点検口からの目視・・・果たして充分な点検になるのか?という疑問から、小屋裏で起こり得る不具合についてまとめた後、点検口からの目視による小屋裏の点検を再現し、それらの不具合を発見できるかどうか、考察してみました。

小屋裏の不具合はどんなことがある?

①雨漏れ

いくらクロスを張り替えたり内装を綺麗にしても、雨漏れしてしまえば台無しです。また、雨染みとなって気づく頃には既に木材が傷んでしまっていたり、湿気によりカビが発生していることもあります。

②構造部材や金物の不備

日本は地震の多い国です。建物には地震対策が施されています。例えば、弱点となりうる部材同士が継ぎ合わさっている箇所には金物やボルトを用いて容易に外れないようにしています。しかし、木材自体が乾燥収縮することでの緩みにより外れやすくなってしまっていたり、部材自体に割れが発生しているケースもあります。

③施工不良

本来は必要だったはずの部材がない、必要な長さに足りていない、換気ダクトが途中で外れている、などです。普段見えない場所にあるので、誤った施工状態が気づかれることもなく何年も放置され、気づいた時には施工店が潰れてしまっているということもあります。

④断熱性能

外からの熱気や冷気を入れないようにしたり、冷暖房の効きを維持するために必要とされる断熱材ですが、正確な知識を持たない人が施工すると隙間が出来てしまったり、裏表逆に設置されたり、ひどい場合には端っこに積み上げられているだけということもあります。

点検口周りから見れる範囲を実際に確認

これまで小屋裏で見つかり得る問題の一部を紹介しましたが、これらの問題が起きているかどうか、点検口から覗いてどれだけ検査できるのか、確かめてみました。

小屋裏への進入は、天袋や押入れの天井の板が外れるようになっていたり、クローゼット内に点検口があったり、小屋裏収納の壁に設けられたりと、建物によって異なります。また、点検口が無いというケースもあります。購入が決まっているのであれば、今後のメンテナンスのことも視野に入れ点検口作成について売り主に交渉することもよいかと思われます。事前に仲介会社、または売り主に確認をされるといいでしょう。特に瑕疵保険を活用したい場合は点検口からの小屋裏確認は必須となりますので注意が必要です。

こちらが実際の小屋裏を点検口から撮影した写真です。
小屋裏の見え方
開口部までの高さ、インスペクション実施者の身長、用意した脚立の長さなどにより状況は変わってきますが、いずれにおいても、覗いただけでは、梁や小屋束といった部材がある事から、見ることのできる範囲は限られており、ライトを当てても暗くて遠くまで見きれませんでした。点検口から覗いて見える範囲はこのようになりました。

範囲

この状況下で、小屋裏の雨漏れをはじめ、諸々の不具合を発見できるかどうか考察していきます。

点検口からの目視だけでは不十分!

結論から言うと、雨漏れの有無はもちろん、その他の不具合についても、ごく一部しか確認することが出来ないでしょう。また、運良く点検口からシミなどを発見出来た場合でも、目視のみではそれが現在進行しているものなのか、過去に起きたものなのか判断することは難しいでしょう。進入して検査を行えば、直接触れたり含水率計を用いた確認ができ、判断材料を増やすことができます。実際に、小屋裏の壁際まで進入してはじめて雨漏りを発見でき、点検口からの目視のみでは発見出来なかったであろうというケースがこれまでに何度かありました。

ちなみに直接進入しての調査が望ましいのは床下も同じです。↓のコラムに詳細が載っていますので併せてご覧ください。

▼ホームインスペクションの床下調査は必ず進入調査にするべき理由
https://www.eloupe-teoria.com/column/inspection-underfloor/

 

まとめ

以上の事から、小屋裏の調査は直接進入して確認することで精度が上がり、「安心」に結びつくと考えられます。引き渡し後、瑕疵担保責任がなくなった状態で問題が発覚した場合、修繕費用で負担するのは買い主です。住み始めてしばらくしてから異常に気づいた・・というようなことにならないよう、小屋裏にも進入してもらった上で、しっかりと調査してもらうことをおすすめ致します。

大原写真  e-LOUPEインスペクター 大原

 

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。

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