e-LOUPEの旬ネタコラム

  • 新築戸建て
  • 中古戸建て
  • 自宅向け

木造住宅は長持ちしない?

日本の住宅

現存する日本の家屋の約8割は木造住宅であるといわれています。古いデータではありますが政府の調査によると、アメリカやイギリスの家屋の寿命が100年程であると言われているのに対して、日本の家屋は30年程であるという結果が出ており、住宅の寿命の長さに3~4倍の差がついていることになります。

この違いはどうして生まれるのでしょうか。恐らく「アメリカやイギリスの家屋は石でできているから長持ちするが、日本の家屋は木造が多いので寿命が短くなってしまいがちなのでは」といった事を想像されるかもしれません。

しかし木造住宅の寿命は6,70年はあると言われています。少し次元は違うかもしれませんが奈良の法隆寺は木造建築物ですが築年数は1000年を超えています。

また、一般社団法人住宅生産団体連合会(住団連)が公開している資料に戸建注文住宅の顧客実態調査というものがありますが、2017年度の注文住宅を購入した際にそれまで住んでいた住宅の平均築年数は37年とされています。

限られた調査範囲ではありますが、30年を超えても人が住む住宅としての価値を保ち続ける事ができていることを意味すると思います。

ではどうして日本の家屋の寿命は「30年」なのでしょうか。

様々な要因があり実際に住むのは30年程度に落ち着く

解釈の視点の違い

1つ目の理由として考えられるのは、「解釈の視点の違い」です。住宅の「寿命」は様々な視点から解釈されます。

例えば住宅を消費財ととらえ耐用年数を法律的な視点で考えると、国税庁で定められている木造住宅の「法定耐用年数」は「22年」です。これは22年後にはその住宅の経済的な価値は0になることを意味しますが、それを超えると使い物にならなくなってしまうのかというと、もちろん実際はそんなことはありません。

ちなみに構造躯体や構成材に視点を当て、それらの物理的な耐用年数を考えたものを「物理的耐用年数」といいます。

寿命を迎える前に取り壊されている

2つ目の理由としては、性能面では十分住み続ける事ができる住宅であるにもかかわらず取り壊してしまっているからではないかと考えられます。

ライフスタイルにそぐわないためリフォームを検討したが予想以上に費用がかさむため、それならばと新築を購入するケースも少なくははないと思います。

その建物が実際にあとどの程度住めるのかを示す耐用年数を「経済的耐用年数」といいます。物理的には住み続ける事ができる家であったとしても、住み手が「こんな家では住めない」と思うような要素があれば結局取り壊しという選択をする事になります。

メンテナンス不足

3つ目の理由として考えられるのは「メンテナンス不足」です。
本来ならば長持ちするはずの物件が適度なタイミングでメンテナンスを行わず、指摘事項が発生してもそれを放置し、建物の寿命を縮めてしまっている場合があります。

原因は住まい主の認識不足という事もありますが、隣家と密接し過ぎている、建物の形状が複雑過ぎる、などの理由で足場が組めない、床下や天井裏の点検口がない、床高が低い、などの理由で進入ができないといったように、建物そのものの「メンテナンス性」の低さが原因であることもあります。

中古住宅でも長期間住み続ける事ができる物件はある。ただし事前にしっかりチェックする必要はあり

現在日本でも中古住宅を市場に流通させようとする動きが少しづつ見受けられるようになりました。購入の際に見るポイントとして、どうしても内外装のリフォームや設備の新しさに目がいってしまいがちですが、土台・骨組みなどの基本構造や先ほどもご紹介したメンテナンス性などについてしっかり調べる必要があります。

特に地震大国の日本では耐震性に細心の注意を払わなければいけません。また、メンテナンスは何か問題が発覚してから修繕を行ったのか、予防の意識を持って周期的に行ったのかでは建物の保存状態に大きな差が生まれます。

購入を検討される時は過去の修繕の記録が残っていないかしっかりとチェックするようにしましょう。

まとめ

屋根裏の点検イメージ

日本の木造住宅の寿命は約30年と言われてはいますが、実際には長期に渡り住み続ける事ができる住宅がたくさんあります。

とはいえ元々「永く住んでもらえるように」という考えを持たずに建てられた住宅もたくさんあると思われるので見極めには注意が必要です。

永く住み続ける事ができる家かどうかを判断するにはやはり事前にインスペクションを実施していただくことをおすすめします。購入した後で、「こんなはずではなかった」と後悔しない堅実な住宅を探しましょう。

上野山 典之  Webスタッフ 上野山

 

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。