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メンテナンスにお金がかからない家作りのコツ

2024.03.09
岩井

WRITER

岩井 数行

二級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築事務所を経て2010年に株式会社テオリアハウスクリニック入社。床下調査や断熱事業での現場経験を活かし、現在は戸建て住宅インスペクション事業に携わる。JSHI公認ホームインスペクター。既存住宅状況調査技術者。蟻害・腐朽検査士。

こんにちは。e-LOUPEの岩井です。

住宅購入を検討する際には毎月の返済可能額を計算されることと思いますが、忘れてはならないのが住み続けることでかかってくる「メンテナンス費用」です。

今回は住み始めてからのお金がかからない家作りについてご紹介していきます。

購入前に知っておくべきメンテナンス費の正体

まずは住み始めてからかかるお金について1つ1つ、整理してみましょう。

防蟻対策


意外かも知れませんが、防蟻薬剤の効力は5年です。床下をシロアリから守るためにはその都度薬剤を散布しておく必要があります。

1度のメンテナンスにかかる費用は一般的な大きさですと15〜20万円ほどです。

屋根・外壁・防水


いわゆる外装と呼ばれている部分ですが、風化や日光による劣化と建物の耐久性の低下を防ぐためには定期的なメンテナンスが欠かせません。

修繕の周期は15年、費用はおおよそ150万円ほどが目安です。

築20年ほどでメンテナンスを検討されている方からは「足場にこんなにお金がかかるとは思っていなかった」「修繕費はちゃんと積み立てていたけど、見積りしてもったら赤字になってびっくりした」というお声を時折耳にします。

修繕費の積立は長いスパンでの計画となるでしょうから、物価高騰など社会的な状況も考慮しながら柔軟に対応するのがいいと思います。

内装


内装部分は建物の維持という意味では特段手を加える必要はないケースが多いです。

しかし時間の経過とともに好み・ライフスタイル・家族構成も変化していきますから、それに伴い修繕やリノベーションの必要が出てくることでしょう。

また経年劣化に伴い壁床の傾斜が気になるような場合は注意が必要です。

一般的には家の内装を大きく変える場合、30〜40年ほどになるのではないかと思います。

日々の光熱費

イニシャルコストと同様に大切なのがランニングコストの問題です。

家庭での生活には電気・ガス・水道などの光熱費が不可欠ですが、住宅の大きさや設備、住む地域の気候条件などによって光熱費がどのくらいになるのかは変わってきます。

設備


キッチン・浴室・洗面所・トイレのような水回り、給湯設備、エアコンといった家電製品や設備にも耐用年数があります。

たとえば冷蔵庫や洗濯機などは10年〜15年ほどと言われており、故障したり効率が著しく低下した時には買い替えなければならないでしょう。

高齢化に伴って階段の手摺や浴室のバリアフリー化も必要になるかも知れません。

お金のかからない家にするコツ

耐久性を意識して素材を選ぶ

少し高くても高耐久の材料で施工されていればメンテナンス時期を伸ばす事ができ、トータルで見れば得をすることもあります。

たとえば外壁であればノンシーリング工法によるガルバリウム鋼板や塗りや木張り、ベランダであれば金属防水などです。

ただし中には高耐久の材料を指定しても写真用に1つだけ購入し、あとは安い材料を使って施工を進める業者もいるので油断できません。

材料指定をする際は使った材料ゴミもさりげなく確認しておくのが確実でしょう。

不要なものはそもそもつけない


お金をかけないようにするには不要なものを省くという考え方も効果的です。

先ほどのベランダですとそもそもベランダを設置しなければメンテナンスを行う必要もありません。

トイレもウォシュレットはどうしても15年ほどで寿命を迎えますが、シンプルな便座であればよほどの事がない限り壊れはしないでしょう。

エアコンはいくつ設置するかによって、周期ごとの交換にかかる費用が台数分変わってきます。

LED照明も電球部分は長く持ちますが本体が劣化する為、壊れると本体ごと交換が必要となり高額になりがちです。

また設備の交換には故障だけでなく、見た目が古臭くなってしまったからという理由もあると思います。

年数が経った時に素材の良さを活かせたり、洗面所であれば水洗部の交換だけで済ませられるようにしておくといった視点で選ぶのもいいかも知れません。

省エネを意識する


昨今の光熱費の高騰を考えると、光熱費のマネジメントは後々の生活に大きな影響を与えると思われます。

窓・床下・天井などの断熱性能が不十分な場合、熱効率が悪く寒さや暑さを感じやすい家となり冷暖房にかかるお金も自然と増えてしまいます。

アルミガラスやアルミガラス複合樹脂サッシのような性能の低い窓が設置されていたり、基準に満たない断熱材を使っている場合は注意が必要です。

また断熱材は仕様上は基準を満たしていたとしても施工の際の不備によって正しく効果を発揮できなくなっている可能性も考えられるため、住み始める前に確認をしておくのがいいと思います。

給湯器であればガスの給湯器よりもエコキュートの方が光熱費は安くなります。

ただし設置にかかるコストはガス給湯器の方が安いため、光熱費の削減で賄えるかどうかは使い方の頻度を考慮して考えてみるといいでしょう。

給湯と関連して、もし太陽光発電を検討するとなった場合、屋根の素材がコロニアルだと防水の観点から後付けが難しい一方でガルバリウム鋼板や瓦であれば敷居は低くなります。

後々の選択肢が必要かどうかも考慮しておくのがオススメです。

まめな掃除を心がけることも大切

設備関係はトイレ以外にも、15年を超えたあたりから

  • 換気扇が動かない
  • ガスコンロが点火しない
  • インターホンが作動しない

など、様々な不具合が一気に起こり始めます。

こういった設備の寿命はもちろん元々の耐用年数の問題もありますが、住んでいる人の使い方にも少なからず影響を受けています。

設備を長持ちさせるためにも定期的な掃除を心がけるのがオススメです。

また中古住宅を購入の場合は現存する設備があと何年ほど使えるかによって何年目にどれぐらいのお金が必要になるかも変わってくると思いますので、一通り確認しておくようにしましょう。

さいごに


今回は住み始めてからお金がかからない家にするためのコツをご紹介してきました。

家というと住宅ローンの支払いのイメージが強いですが、やはりより大切なのは長持ちさせるためには何年ごとにどれくらいのお金が必要になるのか、正しく把握することだと思います。

購入時に隠れたトラブルを見逃してしまうとその後の資金計画にも大きな支障が出てしまうかも知れません。

住み始めの時にはしっかりと建物に問題がないか確認しておきたいところですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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