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ホームインスペクション費用の相場は?目安を解説!


WRITER
鳥居 龍人
二級建築士 e-LOUPEインスペクター
こんにちは。e-LOUPEの鳥居です。
今回はホームインスペクション(住宅診断)の費用や料金体系について詳しくお話ししていきます。
目次
ホームインスペクションの費用の目安
ホームインスペクションの料金体系は大きく
- 基本料金+オプション費用
- 一律料金
の2種類です。
基本料金+オプション費用(4~6万円+10〜12万円)
色々なインスペクション会社のホームページを確認すると費用は平均で4~6万円程度になっていることが多い印象です。
しかしよく見るとそれらは「○万円~」と表示されています。これはその費用があくまでも基本的な調査項目のみの費用であることを意味します。
最低限の確認で安く済ませたい方であれば基本の調査のみでいいと思いますが、より調査の精度をあげるには「オプション調査」を実施する必要があります(おおよそ14万~18万円ほどになると思われます)。
ちなみに基本的な調査項目の内容はいずれのインスペクション会社も国土交通省の「インスペクションガイドライン」を準拠としていることが多く、あまり大きな違いはありません。
おすすめのオプション調査の項目については後ほど解説します。
一律料金(10~15万円)
あまり数は多くはありませんが、インスペクション会社の中には調査項目を全ての依頼主に対して一律に設定している場合もあります。
一律料金を採用するホームインスペクションの調査費用は平均で10~15万円程度であることが多い印象です。
そのようなインスペクション会社では、床下・小屋裏・屋根・鉄筋探査・報告書作成、といったメニューを最初からパックとして提供します。
費用は一律とオプション、どっちがいい?
どちらの料金体系のインスペクション会社を選ぶべきかは、ホームインスペクションで何を重視するかで決めればいいと思います。
基本料金+オプション費用のホームインスペクションは自由に調査項目を決めることができるので、本当に自分の好きな調査を行えます。また、調査項目を絞れば全体の費用を安く抑えることもできるでしょう。
しかしある程度の予備知識がないと、どの調査項目を選べばいいのか、その調査にかかる費用は割に合っているのかといった判断に戸惑ってしまうかも知れません。
一律料金によるホームインスペクションは自分で調査項目を決めることができないため、調査にこだわりを持っている人はメニューに物足りなさを感じてしまうことがあるかも知れません。
しかし「自分であれこれ考えるのは難しいからプロに全部任せたい」という人にとっては自分で何も考える必要がないため、とてもありがたいのではないかと思います。
自分に合ったインスペクション会社を活用できるようにしたいですね。
ホームインスペクションのオプション費用
ホームインスペクションのオプション調査について、代表的な項目である
- 床下への進入調査
- 小屋裏への進入調査
- 専門機材を用いた屋根調査
- 鉄筋探査機を用いた基礎調査
- 各種設備機器の調査
の内容や費用について詳しく解説していきます。
これらのオプション調査を実施すれば相応の精度を伴ったホームインスペクションとなることでしょう。
もし「精度の高いしっかりした調査をしたい!」という場合は全て実施していただくのがおすすめです。
また一律料金のホームインスペクションについても、上記の項目を調査メニューに含んでいる調査かどうかを確認するようにしましょう。
床下への進入調査(約3万円)
床下への進入調査の費用は3万円前後です。
国土交通省のインスペクションガイドラインでは床下は「点検口からの”目視”による点検」で行うことになっています。

目視による点検は点検口周囲からペンライトなどで奥を照らしての調査になりますが、この方法では確認できる範囲がかなり限られてしまいます。
床下への進入調査を実施すれば奥まった場所で水漏れや構造部材の不具合などが発見されることも多々あるため、より信頼性の高い調査結果を残すことができます。
小屋裏への進入調査(約3万円)
小屋裏の進入調査の費用は3万円前後です。
床下同様、小屋裏調査も国のガイドラインでは点検口からの目視調査となります。しかし梁や柱などに遮られ奥まで覗くことが難しく、やはり正確な調査が行えない場合が多くあります。

小屋裏の奥の方で水染み跡や梁を固定する接合金物の緩みなどを発見することもあるため、正確な調査をするためには進入調査は欠かせないでしょう。
高所カメラでの屋根調査(約2万円)

屋根の詳細検査にかかる費用は2万円前後が相場です。
屋根は建物を長持ちさせる上で非常に重要な場所であり、風雨による影響を受けやすい場所でもあります。
また、屋根の施工は屋根材の上に乗って行われるため、稀に材料に割れが生じていることがあったりします。

屋根調査は一般的に双眼鏡等を用いた目視調査や自撮り棒などで行われますが、屋根の形状や周辺の地形によってはうまく確認できない場合もあります。
高所カメラを用いた検査を行えば、屋根の見えにくい部分まで確認することが可能です。
ちなみに屋根調査はインスペクション会社によってはドローンを取り扱うところもあります。ドローンは周辺環境の制約が大きく調査自体が難しい場合が多いので、もし希望する場合は事前に業者としっかりすり合わせが必要です。
鉄筋探査機を用いた基礎調査(約1万円)
基礎内部の鉄筋調査にかかる費用はおおよそ1万円前後です。
鉄筋の間隔は建築基準法で300mm以内と決められていますが、配管の貫通部周辺や基礎の角部に近い箇所では間隔が乱れがちになる傾向があります。
もちろん、基礎の内部で鉄筋が設計図通りに組まれているかは建物の耐久性を考えたときにとても大切な問題です。しかし基礎の内部を目視では確認できません。
そこで役立つのが鉄筋探査機です。
鉄筋探査機は鉄筋に反応して音を出す装置で、これを利用すれば図面に記載されている通りの間隔で鉄筋が組まれているのかを確かめられます。
設備機器の調査(約2万円)
設備機器の調査費用の相場は大体2万円前後です。
住宅にはガスコンロやトイレ、換気扇といった設備が必要不可欠です。最近では感染症対策として洗面台が2箇所設置されているような住宅が増えてきました。
しかしこれらの設備機器は使用してみると水漏れを起こしていたり、作動しないというケースが多く見受けられます。
新築住宅でも水漏れや換気扇の排気ダクトが外れてしまっているケースもあります。
引き渡し前に設備機器の調査を行っておけば故障や予期せぬトラブルを防げるので安心です。
報告書の作成(約1万円)
簡易なものではなく、詳細な調査結果を記載した報告書作成の費用は1万円前後です。
簡易的な報告を無料で行い、追加写真や今後のメンテナンスに対する具体的なアドバイスなどの掲載を有料オプションとしているインスペクション会社もあります。
詳細な調査報告書は言わば健康診断の結果表です。住宅は今どんな状態なのか、どこに不具合が生じているのか、より明確に知ることができます。
いずれの項目も後悔なく住宅購入すると考えると持っていて損のない書類だと言えます。
ホームインスペクション費に含まれないサービス
ホームインスペクション費に含まれないサービスとして
- 傷や汚れのチェック
- 各部屋への通電の確認
などがあります。
傷や汚れの許容範囲は人によりばらつきが大きいため、公正公平な立場からの指摘が難しくホームインスペクションの対象外とされるのが一般的です。
一応アドバイスとして、「この程度の傷は他の買主の方はどうしていたのか?」といった”質問”であれば答えてくれると思いますので、うまく頼ってみるのがいいと思います。
また、通電に関してもスマホの充電器があれば簡単に確認できますので用意しておくといいでしょう。
費用が売主負担のホームインスペクションは要注意!?
ホームインスペクションの費用について、額面以外にも気をつけなければならない点があります。
それは誰が費用を負担するのかです。
ホームインスペクションの費用は依頼主による負担と売主による負担、2つのケースが考えられます。
売主負担でホームインスペクションを実施できるなら調査にかかる費用が浮いてラッキー・・・と言いたいところですが、そこには”落とし穴”があります。
ホームインスペクションは第三者性が非常に重要です。
参考までに、過去にアメリカでは売主経由のインスペクションで業者とインスペクターとの癒着が大きな問題となり、売主経由のインスペクションが禁止となる事態にまで発展しています。
もちろん全てのインスペクターに当てはまるわけではないと思いますが、売主が費用を負担するホームインスペクションではその関係が保てない可能性も無いとは言い切れません。
どうしても不安を感じてしまう・・・という場合は買主側でインスペクション会社を探し、依頼することをおすすめします。
さいごに
今回はホームインスペクションの費用について料金体系の仕組みやオプション調査の種類など、詳しくご紹介してきました。
ホームインスペクションの費用は安ければいいというわけではなく、かといってあれもこれも調査すれば安心というわけでもありません。
しっかり自分の目的に合った調査を実施できることを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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