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内覧会に住宅診断士の同行は必要?立会いのメリットや調査内容を解説!

2023.06.25
鳥居

WRITER

鳥居 龍人

二級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築事務所を経て株式会社テオリアハウスクリニックに入社。前職での現場監督経験から、施工から設計まで幅広い知識と経験を持つ。現在はその経験をもとに戸建て住宅のインスペクション業務に携わる。JSHI公認ホームインスペクター。既存住宅状況調査技術者。

こんにちは。e-LOUPEの鳥居です。

今回はホームインスペクションの内覧会での活用法についてお話ししていきます。

住宅診断士(ホームインスペクター)に内覧会への同行を依頼するメリットや具体的な調査内容などを詳しくお伝えしていきますので、最後までどうかよろしくお願い致します。

内覧会に住宅診断士を同行させるメリット


とある買主の方からお伺いしたのですが、「買主からなにか言われるのは構わないが、インスペクション業者の人から言われる筋合いはない」と仲介をしている不動産の方を通して売主から言われたそうです。

一見もっともらしいご意見かも知れませんが、私からしてみると大切なことを忘れていると言わざるを得ません。

それは住宅診断というサービスのメリットを考えればおのずと見えてくると思います。

まずは内覧会に住宅診断士を同行させるメリットをおさらいしてみましょう。

意外と多い「見えない所」で手を抜く職人

法律に違反する形で配置された床下配管(左)、接続が外れた浴室上の排気ダクト(右)

これは私がかつて現場監督として働いていた時代に一番悩まされた問題なのですが、職人さんは施工のプロであると同時に「手抜きのプロ」でもあります。

建物の不具合は”人目につかない場所”に集中します。

一見全体が等しく施工されているように見えても、見えないところはずさん・・・というケースは非常に多いです。

そういった過去の経験から、内覧会でパッとみた時の雰囲気がいい感じだからといって「問題なさそうだな」と判断するのはどうしても危なっかしく感じてしまいます。

”分からない買主”と”早く売りたい不動産屋”

売主からすれば不具合があった場合の修繕やその報告はとても手間がかかるため、「みる時間を少なくして少しでも気づかせないようにしよう」「どうせ何かあれば住んでから言ってくるだろう」という意識に陥りがちです。

新築だと内覧会が一応は引き渡し前の確認の場ではあるものの、実際は施工店の説明を聞く時間が大半で、それ以外は壁紙の傷程度の指摘で終わった・・・という話もよく聞きます。

しかし購入前の住宅には何かしらの不具合が必ず潜んでいるものです。

たとえ新築でも9割以上の住宅で大小含めさまざまな不具合が見つかります。

私が過去に立会ってきた内覧会でも

  • 床下での配管接続不良による水漏れ
  • 外壁の割れ
  • 床下断熱材の落下
  • 小屋裏の金具の緩み
  • 床下での配管の水漏れ
  • 大引きの割れ

といった指摘事項を見てきました。

中には屋根材が強風で飛ばされて隣家とのトラブルにまで発展してしまったケースもあります。

もちろん、買主が自力で不具合の有無を判断できるのであれば内覧会の立会いをしてもらう意味はないでしょう。

しかし実際にそれができる人はごくわずかです。そもそも何が不具合なのかが分からない場合もあると思います。

建物調査を日常的に行う住宅診断士に同行してもらうことで、自分だけでは見落としがちな細かい部分まで抜け目なくチェックすることができます。

住宅に不具合がないか、プロの目線でチェックしてもらえることには将来の不安を取り払う大きなメリットがあります。

建築士が現状を率直かつ的確に代弁

たとえ内覧会で気になる箇所を自力で発見できたとしてもそれを売主に上手く伝えられるとは限りません。

どこまで指摘していいものなのか判断が出来なかったり、今後の付き合いを気にして言いにくかったり・・・引っ込み思案な方や気の弱い方だとなおさらだと思います。

そんなときこそ、内覧会に同行している住宅診断士が心強い味方になってくれます。

住宅診断士は建築士でもあることから、第三者という立場から事実を淡々と伝えられます。また、専門家としての立場から状況をより正確に伝えることもできるので住宅会社もスムーズに対応してくれやすくなります。

もちろん住宅診断士は公平な立場である以上、あまりに買主側に寄り過ぎたお願いを施工店に伝えるわけにはいきません。

しかしそれでも「建築士が内覧会に同行」という事実そのものが買主にとって大きなメリットになる可能性は十分あります。

「調査報告書」が経年でもたらす恩恵

意外と忘れられがちですが、住宅診断士の内覧会への同行には「建物の調査自体のメリット」だけでなく「調査を行なったという記録を残すメリット」もあります。

多くのインスペクション業者は内覧会に同行した際の調査結果を報告書としてお客様に提出しています。

調査報告書はいわば”健康診断の結果”のようなものです。

指摘となる箇所以外にも各部位の現状が報告記録されています。インスペクション業者によってはオプションで詳細な報告書へのグレードアップや写真データの提出をしてくれる場合もあります。(お客様が一番必要であろう情報を追加料金にするのはいかがなものかとも思ってしまいますが!)

これらの情報は建物の年数が経過した際、非常に役立ちます。なぜなら新築時の情報を記録しておくことで後々不具合を発見した際、それがいつ生じたのか、精密な調査が必要なのか、判断しやすくなるからです。

例えば小屋裏だと内覧会の時にはなかった染みが10年後に見つかった、これはもしや雨漏り?と専門家に頼らずとも自分でも大まかな判断が可能です。


また、ホームインスペクションの診断報告書は住み始める時だけでなく、「売る時」にも重要な役割を果たします。

買い主に「ここの家主は家のことをとても気にしているんだな」と高印象を与えることができますし、不具合がないことが前提ですが売却金額にも多少の変化があると思います。過去の記録があるということは、売主が家を大切に考える人だったと想像できますし、安心感が全然違います

「しっかりと専門家によりチェックがされている家である」という証拠でもある調査報告書は、建物の資産価値を保つことにも役立つのです。

内覧会への同行にかかる費用

インスペクションの費用
多くのインスペクション業者は費用をなるべく安く見せようとする傾向にあります。

しかし”目視で見えにくい場所”の調査、たとえば

  • 床下の進入調査
  • 屋根裏の進入調査
  • 高所カメラでの屋根調査
  • 基礎の鉄筋検査
  • サーモグラフィーカメラの調査
  • ファイバースコープカメラの調査

などは別料金となっている可能性が高いです。

自分にとって必要な項目を選んでいく形にはなりますが、ある程度の内容が伴った調査にしようとすれば費用は少なくとも10万円程度は必要となるでしょう。

最近では全ての調査メニューを最初から基本プランに含めていたり、複数のオプション調査をまとめたパック料金プランを提案するインスペクション業者も増えてきています。

「自分で選ぶのは大変そう・・・」という場合はそちらを活用して見るのもいいと思います。

その際も床下・小屋裏への進入調査、高所カメラ、配筋検査、報告書の作成、といった重要な項目がプランに含まれているかの確認は忘れないようにしましょう。

ちなみに、2世帯住宅など調査範囲が広い場合も追加で費用がかかる場合があります。

内覧会への同行を依頼する流れ


メールまたは電話による申し込み
多くのインスペクション業者はメールフォームや電話での申し込みを受け付けています。

申し込み前の注意点として、必ず売主にはホームインスペクションを実施したいという旨を伝えておきましょう。

事前にすり合わせをしておかないと当日十分な調査時間が確保できない恐れもありますし、施工店とは長い付き合いになることが想定されます。

情報共有は忘れないようにしましょう。

※その他準備することについてはこちらのページにも求めていますので併せて参考にしてみてください。

受付スタッフとのすり合わせ
内覧会同行の申し込みでは

  1. 住所
  2. 希望調査日
  3. 自身の連絡先
  4. 構造(木造・鉄骨)
  5. 延べ床面積
  6. 図面の有無

などの情報を伝えた後、具体的な料金の確認という流れになります。

調査希望日の注意点として、土日祝日はどのインスペクション業者も依頼が集中する傾向にあります。早めに連絡するか、平日で可能か売主側と調整するのがいいと思います。

また、インスペクション業者を比較する際は金額だけでなく調査内容の確認も忘れないようにしましょう。

内覧会で調査を実施
内覧会の当日は知りたいことや気になっていることがあれば遠慮せずどんどん聞いてみましょう。

建物に関することはもちろん、担当してくれてる施工店とのやり取りのコツなど、役立つ情報を色々教えてくれることでしょう。

ただもちろん、付きっきりだと診断自体が長時間になることもあるため注意が必要です。

バランスが大事ですね。

一般的に傷や汚れは指摘の対象外とされている

補足として、普段よくいただく質問の1つに「傷・汚れは見てくれないの?」「電気関係は見てくれないの?」というものがあります。

結論を申し上げると、

  • フローリングの傷
  • 壁のヘコみや剥がれ
  • 各部屋の通電

などは買主自身で確認・交渉をする必要があります。

傷や汚れをどこまで許容するかは個人の価値観によることや、第三者の立場を超えた過剰な指摘につながる恐れがあることから、これらの項目は調査の対象外とされることが一般的なのです。


ただ、「一般的にこれぐらいの傷ってみなさん指摘されますか?」「こういう汚れって施工店に言ってもいいんでしょうか?」などの”自分たちへの質問”という形であれば教えてくれると思います。

そういう形で住宅診断士を頼ってみるといいでしょう。

ちなみに各コンセントの通電は専門の業者に依頼をすると非常に高額ですがスマホの充電器があれば簡単に確かめられるのでおすすめです。

他にも買主はどういった持ち物を用意すればいいのか、詳しくはこちらのページにまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

調査結果の概要を報告
すべての調査が完了したら住宅診断士から報告を受けます。もし指摘事項があった場合には何をすればいいのかも聞いてみるといいでしょう。

また、もし売主側の担当者が現地にいるようでしたら、問題点を住宅診断士から伝えてもらうようにしましょう。大抵の場合はその場で直すか直さないかの確認や相談をする事になります。

その際、担当者の判断が問題無いかを住宅診断士に確認してみるのも良いと思います。

ちなみに修繕はその場では判断できず持ち帰って施工店内で協議する・・・という場合もありますがその時も後日いきさつを住宅診断士に相談してみましょう。このくらいは仕方がないのかも・・・と諦めていたことが是正される場合もあります。

建築士の存在は非常に心強いと言えるでしょう。

調査報告書の送付
当日の調査内容をまとめて報告書としてお送りします。報告書には

  • 撮影した写真
  • 各部位の詳しい状況
  • 指摘事項の有無
  • 指摘事項が見受けられた箇所
  • 部位ごとの総合的な評価

などが記載されています。

報告書は紙としてだけでなく、調査時に撮影した写真も併せてデータとして貰える場合もあります。提出方法の確認をしておくとよいでしょう。

紙とデータの両方で受け取っておけば、万が一紛失した場合も安心です。

基本的な調査内容は共通する事が多いですが、インスペクション業者によって、報告書の内容やボリュームは違います。そもそも診断報告書が別料金のインスペクション業者もありますので、契約の時点で確認するようにしましょう。

内覧会で住宅診断士はココを見る!



内覧会に同行した際、私たち住宅診断士が調査して回るのは大まかに

  • 外回りの状態
  • 室内の状態
  • 床下の状態
  • 小屋裏・天井裏の状態

の4箇所です。調査項目は基本的には

  • 建物の構造上主要な部分(柱、基礎など)
  • 雨水の浸入を防止する部分(屋根、軒裏など)

がメインとなっており、そこにプラスアルファで調査箇所を増やしたり特殊な機材を用いた調査を追加していくイメージです。

具体的な調査箇所の一部をご紹介していきます。

外回り

シーリングの割れや欠損は新築でも非常に多い

外回りの調査では

  • 窓と外壁との接合部に剥がれや割れがないか
  • バルコニーの防水層にはがれや割れがないか
  • スレートの塗装にはがれがないか
  • 基礎の配筋は図面通りか

などの確認をします。

確認が難しい屋根の不具合

新築でも詰まりや破損は起こり得る

屋根周りでは、破損やズレ、変色の状態、雨どいの詰まり、などを調べます。

屋根は雨漏りのような大きな問題にも関わることから、建物を長持ちさせる上で非常に重要な部位です。

しかし屋根はホームインスペクションの基本的なスタイルである目視調査がとても難しい場所でもあります。

高所カメラの使用風景(左)と実際に発見した屋根のひび割れ(右)

そのため基本は双眼鏡による調査で行い、オプション調査として高所カメラによる調査を実施するインスペクション業者が一般的です。

意外と守られていない基礎の配筋

基礎内部は完成後の目視確認ができないが・・・

基礎の内側がどうなっているかは多くのお客様が関心を寄せられるところです。

今どき鉄筋の入っていない基礎はほぼありません。しかし気にしなければならないのは「設計図通りに」組まれているかです。もし設計通りでない場合、万が一地震が起きたとき建物を十分に支えることが出来ないリスクがあります。

・・・実はこれ、意外と守られていません。

本来であれば間隔200ミリで設計されているのに工事が大変という理由で250ミリ程まで広がって施工されていたり、重ねなければいけない部分の重ね幅が守られていない・・・といった具合です。

家を作る上での構造計算にも関わっていることから「そんなこと考えられない!」と思われるかも知れませんが実際によくある不良となっています。

金属探知機が反応した箇所の間隔で規定通りに鉄筋が入っているかがわかる

完成後の基礎内部の鉄筋を調べる方法が鉄筋探査です。

金属探知機(鉄筋探査機)を使えば、目で直接確かめる事ができない基礎内部の配筋状況を調べる事ができます。

ただしオプションとしているインスペクション業者も多いので調査メニューに含まれているかには気をつけましょう。

外壁の忘れられがちなリスク

設備取付のネジの緩み(左)や配管取付の壁の穴の処理忘れ(右)は意外に多い

外壁の調査では継ぎ目が正しい処理がされているかを確認します。

意外と盲点なのが設備取付のボルトの緩みや配管取付の壁の穴の処理などです。

金物の錆やときには壁を貫通している配管周りの防水処置を忘れてしまっていることもありました。

また、外観をおしゃれにするために大量の植栽を植えている場合も実はかなり注意が必要で、蔦や枝が外壁に接していると防水処置を食い破ってしまう恐れがあります。

もし植栽と外壁が近い時は将来的には注意が必要かもしれませんね。

目と「音」で不具合を見抜く

打診棒を使えば音の違いで見えない浮きの存在がわかる

基礎やタイルに浮きがあると割れや雨水の浸入が起きやすくなることから、建物劣化の原因となります。

しかし浮きの有無を見た目だけで判断するのは非常に難しいです。

そんな時に判断材料とするのが「音」の違いです。

専用の機材を用いて分かる音の違いで、浮きや剥がれがあるか見分けることができます。

床下

基礎のクラック(左)、床下での水漏れ(右)

床下の調査では

  • 木材のカビや腐朽
  • シロアリの被害
  • 配管から水漏れ
  • 断熱材

などの確認をします。

床下はゴミだらけ!?
見えない場所の代表格である床下には、配管のズレ、柱のゆるみ、基礎のひび割れ、断熱材の設置状態、シロアリなど様々な問題が潜んでいます。最近は少なくなりましたがペットボトルや材木の破片などのゴミが置いたままにされていることもありました。

これは私の経験した小話ですが、内覧会での検査の直前にその建物の現場監督さんが「ゴミは全て回収しておきましたので綺麗です!」と声をかけてきました。

どうやら直前まで床下を掃除されていたようで、手にはゴミが入った大きな袋を持たれていました。

床下に入る私を気遣ってくれてのことだと思いますのでそれ自体は嬉しかったのですが、よく考えると普段から綺麗にしていればそんなにたくさんのゴミが出るはずはありませんので「もしホームインスペクションをしていなかったらどうなっていたんだろう・・・?」と思わず想像してしまいました。

こまめな清掃を行う施工店や職人さんもいるため、その人の性格や実力が一番わかる部位であるとも言えますね。

床下への進入調査は必要?

点検口からの調査では見ていない場所を考慮せず「異常なし」と診断する

床下の調査は標準メニューでは点検口からのぞくのみ、オプションで床下に進入しての調査となっている事が一般的です。

奥まった部分のチェックは漏れやすいため現場監督も気づいていない不具合があるかもしれません。

また、点検口からの目視のみの調査では確認できない場所が多いのも事実です。

「しっかり調べてほしい」とお考えでしたら床下に進入しての調査がおすすめです。

室内

網戸の建てつけ(左)、ストッパーのつけ忘れ(右)

室内の調査は直接構造に関わらない部分が多いことから、インスペクション業者によって検査の対象とする項目にはバラつきが生じやすいです。

代表的な調査項目は

  • 各部屋の傾斜に以上はないか
  • 照明、換気扇、火災報知器などは動作するか
  • 排水管からの水漏れはないか
  • 浴室の換気ダクトに以上はないか

などです。

建物が傾く2つのパターン

丁寧に調査を心がけるインスペクション業者は機材の使い分けやすべての部屋での傾斜確認を行う

「建物が傾いていないか気になる」というのは、内覧会への同行をご希望される方からよくいただくお声です。

ワイドショーなどで建築士がビー玉を転がして「これは傾いていますね!」と言っているのを見たことがある方は多いのではないでしょうか。

施工不良による建物の傾きは大まかに、

  • 内覧会の時点で既に傾いている
  • 金物やボルトの締め忘れで地震の際に傾く

という2つのパターンが考えられます。

現在の傾きだけでなく、床下や小屋裏の金物確認も将来の傾きを防ぐ上で重要

内覧会で建物を隅々まで確認しておくことは今現在の傾斜の有無を確かめるだけでなく、将来の傾斜リスクを軽減させる効果も期待できます。

※内覧会での水平器の使い方についてはこちらのページでも詳しくご紹介しています!

小屋裏の調査

雨漏りと金物緩み

小屋裏で発見した雨漏り(左)、金物の緩み(右)

小屋裏の調査では

  • シミや漏水跡がないか
  • 金物部分にゆるみや錆はないか
  • 断熱材に不具合はないか
  • 木材に腐朽はないか

などを確認します。

小屋裏は床下と同様に建物の「見えない場所」にあたります。

不具合が発生していたとしても気づきにくく、注意が必要です。

小屋裏への進入調査の注意点
進入調査と点検口調査

小屋裏に進入しての調査(左)、と点検口から確認のみの調査(右)

床下と同様に点検口からのぞいての調査を通常メニュー、直接進入しての調査をオプションメニューとしているインスペクション業者が多いようですが、やはり精度の高い調査にするには進入調査が必要となります。

小屋裏で注意が必要なのは図面だけではどこまで調査ができるのか、なかなか判断ができないことです。中には当日の調査で初めて判るケースもあります。

特に3階建ての建物は屋根の高さが低く、小屋裏に診断士が入れなかったり入っても思うように進めない事が起こりがちです。

そのため、オプション調査を依頼して万が一進入ができなかった場合はどの様な対応になるのか、事前に確認しておくといいでしょう。

内覧会に同行してもらう業者選びのコツ


内覧会への同行を依頼をするにあたって気をつけるべきはそのインスペクション業者の調査品質です。

良いインスペクション業者を見分ける方法をいくつかお伝えします。

住宅販売業者に知られているか

実は住宅販売会社はホームインスペクション業者に詳しかったりします。

住宅を販売していると自然とインスペクション業者とも接する機会が増えるからです

参考までに聞いてみるのは一つの方法だと思います。

ただし公平な立場での調査がどうしても難しくなることから、直接紹介してもらうのはあまりおすすめできません。

もし紹介を受けた際はHPや口コミを確認してみるといいでしょう。

利用者の口コミはあるか

口コミは利用者の生の声であり、インスペクション業者選びでも非常に参考になります。

ただし、意図的に内容を操作できてしまう媒体での口コミはあまり参考にしない方がいいと思います。

Googleマップなど、より客観的な視点でのレビューが多い口コミを活用してみるのがおすすめです。

依頼前に絶対に確認すべき特徴


価格や検査内容以上に大切にしなければいけないのは「住宅診断士のコミュニケーション能力」です。

  • お客様がどんな点に不安を感じているのか
  • 知りたいことを分かりやすく話してくれるか
  • 売主への指摘をちゃんとしてくれるか
  • 報告書は分かりやすくまとまっているか

コミュニケーション能力が低いとこれらをうまく行うことができないため、せっかく内覧会に同行してもらっても「本当はこうして欲しかった・・・」と不満を残すことになってしまいますので注意しましょう。

電話やメールのやり取りの際は対応を注意深く確かめておくことをおすすめします。

さいごに


今回は住宅診断士の内覧会への同行についてご紹介をさせていただきました。

内覧会は建物が完成したお披露目会のようなイメージを持ってしまいがちですが、あくまでも引き渡し前の「最終確認」の場です。

私自身、これまで数々の内覧会に赴いて建物の調査を行ってきました。特にこれといった問題が何もない家もあれば、大きな問題が見つかった家もあります。ただ、そのいずれも依頼主さまからは「見てもらってよかった」という声が数多く寄せられています。

安心して住み始めるためにも、ぜひホームインスペクションの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。