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戸建ての内覧会、流れや注意点を住宅のプロが解説!

2022.10.31
岩井

WRITER

岩井 数行

二級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築事務所を経て2010年に株式会社テオリアハウスクリニック入社。床下調査や断熱事業での現場経験を活かし、現在は戸建て住宅インスペクション事業に携わる。JSHI公認ホームインスペクター。既存住宅状況調査技術者。蟻害・腐朽検査士。

「戸建て住宅の内覧会を行う予定です。チェックすべき場所や注意すべき事について詳しく知りたいです。」

今回はこのような方のために戸建て住宅で行う内覧会について

  • 引き渡しまでの流れ
  • 内覧会で行うべきこと
  • 内覧会でチェックすべき事

といったテーマでご紹介していきます。

内覧会は完成した住宅を引き渡す前の最終確認の場であり、建物に異常がないかどうかを調べる大切なタイミングです。「あの時もっとしっかり見ておけばよかった・・・」とならないためのチェックポイントや注意点、準備しておくことなどをご紹介していきます。

戸建住宅の内覧会から引き渡しまでの流れ

まずは、戸建て住宅の内覧会を開催してから、実際に住み始めるまでの流れをご紹介していきます。

売り主によってまちまちですが、基本的には

  1. 建物の内覧会
  2. 内覧会で指摘した箇所の補修
  3. 補修完了後の再確認
  4. 住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)
  5. 残代金を決済し、建物の引き渡しを行う
  6. 引っ越しを完了させ入居

という流れで行います。引き渡しの日には

  • 残代金や諸費用の精算(融資実行)
  • 不動産登記

などの手続きを司法書士と一緒に行います。それが終われば、晴れて新居の鍵を受け取ることができます。

ここで注意するポイントは、引き渡しから実際の入居期間までは少し余裕を開けて設定しておくことです。なぜかというと、内覧会の際に何かしらの不具合が見つかる可能性があるからです。

内覧会で不具合が見つかった際は

  • 売主に報告
  • 売主から大家さんへの報告・手配
  • 補修工事
  • 補修した箇所の確認

といったステップが必要になり、それなりに手間がかかります。

ですので、もし住み始めてしまうと、すり合わせで、日程がどんどんずれ込んでしまう恐れがあります。特に年末、年度末などは職人さんが忙しく手配できず、引き渡し後も補修がかかる場合もあるので注意が必要です。

内覧会から引き渡しまでの期間は最低でも2週間以上開けておくことをおすすめします。

戸建住宅の内覧会で行うべきこと

戸建て住宅の内覧会で行うこととして、「建物のチェック」があります。冒頭でもご紹介しましたが、内覧会は引き渡し前の建物の最終確認の場です。もし万が一

「こんなところに傷がある」
「フローリングに汚れが付いている」

となった場合に無償で対応をしてもらうには内覧会の時点で見つけておく必要があります。

また、建物自体にも

  • 金具の緩み
  • 配管の水漏れ
  • シーリングの剥がれ

などがあれば建物の寿命を縮める原因ともなります。安心して住み始めることができるように、しっかりと不具合の有無をチェックしておくことをお勧めします。

具体的なチェックすべきポイントとして挙げられるのは

  • 建物の不具合のチェック
  • 内装の傷やヘコミのチェック
  • 設備のチェック

などです。それぞれについて詳しくご紹介していきます。

建物の不具合のチェック

「建物に大きな欠陥がないかどうか」を確認することは内覧会で行うべきことの中で最も重要です。なぜなら、その建物が長持ちするかどうかを決める最初の1歩となるからです。

天井での雨漏りや床下での配管の水漏れなどの不具合に気づかないまま過ごしてしまうと、建物の劣化を早めてしまいます。

確かに新築住宅ならばある程度の保証はメーカーや工務店で行なってくれるのかも知れませんが、その家に長く住みたいと考えているのであれば大きな欠陥の有無の確認は必ず行うべきです。

また、少し細かい話にはなりますがシーリングや防水部分の処理が雑であったり充填不足などは、住み始める前の時点では特に問題がないかもしれませんが、しっかりと内覧会の時点で補修を行っておくかどうかで住み始めてからの劣化の進行の度合いが変わってきます。

ちなみに大きな欠陥の有無とは具体的には

  • 建物の耐久性に影響を及ぼすような構造的な部分
  • 雨水が建物に入ってくるのを防ぐ場所

に不具合がないかどうかで判断をすることができます。

内装の傷やヘコミのチェック

フローリングのヘコミやクロスの剥がれは内覧会の時点で売り主に指摘を行えば無償で直してもらうことができます。

しかし逆に言うと、引き渡し後住み始めてから見つけたヘコミや傷については有償での対応となるケースが大半です。

「どうせ住み始めたら傷は付くものだから」

と考えている人であれば問題はありませんがもし、「新築なのに最初から傷があるなんて」と思う人であるならばしっかりと内覧会でチェックを行なっておくことをおすすめします。

設備のチェック

元々設備に不具合があったことで住み始めてから問題が起きた、というケースも稀に存在します。

一応新築の戸建て住宅の設備ならば保証がついているので万が一不具合があっても相談すれば無償で直してもらえるケースが大半です。とはいえ、トラブルが起きること自体が問題です。

例えば、元々排水管が繋がっておらず、引き渡し後も排水を床下に垂れ流し状態のまましばらく過ごし、床下で雑菌やカビが発生して異臭の原因となった事例があります。

きちんと排水が繋がっているか、漏れが起きていないかは内覧会の時点で確認をしておくのがおすすめです。

戸建て住宅の内覧会でのポイント

戸建て住宅の内覧会を行う上でのポイントとして

  • 服装に気をつける
  • 建物をチェックするための道具を用意する
  • 専門家を活用する

が挙げられます。

服装に気をつける
内覧会を行う建物は空調が使えない事が多く、体温調整を行うための工夫を行うことをおすすめします。また、建物のあちこちを見て回るのでなるべく動きやすい服装にしておくといいでしょう。

こちらのページでは詳しくご紹介していますのでもしよろしければ御覧ください

▼内覧会の服装は暑さ寒さの対策が必須!注意すべきポイントまとめ
https://www.eloupe-teoria.com/column/nairan_hukusou/

建物をチェックするための道具を用意する
戸建ての建物を見て回る上で、用意しておいたほうがいい道具がいくつかあります。例えば

  • クロスの傷を確認するためのライト
  • 傷がある場所の写真を撮影するスマートフォン
  • 実際の傷がある場所に目印をつけるマスキングテープ

などです。詳しくはこちらのページでも解説しているのでもしよろしければ御覧ください

▼内覧会の持ち物は何が必要?これだけは持っていこう!
https://www.eloupe-teoria.com/column/nairan_mochimono/

専門家を活用する
建物の構造に関しては専門的な知識がある人でないと判断が難しい場合が多く、また知識だけでなく実際に調査を行なってきた経験がないといざ内覧会に臨んでも見落としがちな事が多くなってしまうのも事実です。そこで専門家に建物を調査してもらう「ホームインスペクション」サービスを活用すれば、そのような確認作業を代わりに行なってくれるので、より安心感を得ることができます。

まとめ

今回は戸建住宅の内覧会について、当日やるべきことや注意すべきポイントについて解説してきました。

慣れない作業が多く大変だとは思いますが、「もっとしっかり確認しておけばよかった」という後悔が残らない内覧会にしていただければ幸いです。

とはいえ、内覧会当日は設備の説明や契約の手続きなどやることがたくさんあり、「自分でみて回る余裕なんてない!」と思われるかも知れません。そんな時に活用して欲しいのが「ホームインスペクション」です。

e-LOUPEでは、内覧会に同行して建物に不具合がないかを確認する「ホームインスペクション」を実施しています。

依頼主様が建物をみて回っている間にも作業を進めることができますので、もし「専門的な分野の調査はプロにお願いしたい」思われた方は是非お気軽にご相談ください。

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。