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家を買うなら点検必須!?「床下の浸水」のリスク・対策とは

2022.07.20
大原

WRITER

大原 卓也

一級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築設備会社を経て、株式会社テオリアハウスクリニックに入社。2013年より住宅インスペクション事業に携わる。住宅調査以外にも、不動産会社向けセミナーや建築士対象の研修会の講師も行う。JSHI公認ホームインスペクター。ドローン操縦士。

こんにちは。e-LOUPEの大原です。

今回は「床下の浸水」についてお話しをしていきます。

床下は普段の生活では見えない場所です。知らない間に不具合が発生しているというケースもありますが、その代表例が床下の浸水になります。

このページでは、床下で起きる浸水の原因や事前に不具合の有無を見抜くための対策についてお話ししていきます。

床下の浸水はなぜ発生する?

そもそも床下の浸水はどうして発生するのかというと、原因としてまず考えられるのが、上下水道の配管からの水漏れです。

また、元々水害が発生しやすい地域であれば台風や大雨などの自然災害の際に浸水してしまうというケースもあります。

稀なケースでは基礎の底盤と立ち上がりの継ぎ目で隙間が生じたことで、土壌の水分が内部へ侵入することも可能性として挙げられます。

床下で浸水が発生していた事例

私がこれまでに行なったホームインスペクションでも、点検口からでは見えないような場所で床下の浸水を発見した事例があります。

直接写真でお見せするのは難しい事例が多いものの、いくつかご紹介させていただきます。

①配管接続部からの水漏れ
新築でしたが配管の接続部分を締め忘れていたようで、そこから漏水が発生していました。床下はコンクリートだったため、プールのように水が溜まっている状況でした。
②配管の劣化による漏水
居住中の自宅のホームインスペクションを実施した際、配管が劣化して漏水が発生しているのを発見しました。
③床下で水溜りが発生

新築住宅でしたが、床下で水溜りを発見しました。配管からの漏水はなく、先ほどもご紹介したように基礎の継ぎ目から浸水が発生している状況でした。

床下の浸水を放置するとどうなる?

もし床下で浸水が発生していたとして、それに気づかずにいると様々なトラブルが想定されます。

例えば、下水に水漏れが発生していた場合は臭いの原因になりますし、害虫の発生、床下への入口が無ければ床材の開口、配管の修理、消毒など元の状態に戻すには手間がかかります。

また、木材のカビや腐朽、シロアリ被害のリスクも上がりますので建物の寿命が縮むリスクも大きくなってしまいます。

これらのことを考えると、やはり住み始める前に床下で問題が発生していないか確認しておくのが望ましいでしょう。

床下の浸水をどうやって防ぐ?

床下でのトラブルを防ぐには、直接目視で不具合の有無を確認する必要があります。

もし過去に何かしらの浸水による被害が発生していたとしても、リフォームで内装を綺麗にしてしまえばパッとみただけでは違いは分からなくなります。

しかし、床下には痕跡が残っているものです。

木材の腐朽、蟻害の跡、不自然な染みなどの情報から、問題が発生しているかどうかを判断することができます。

この原理は新築住宅でも同じです。

事前に床下で水漏れなどが発生していないかどうかを確認しておくことで、後々のトラブルを回避することができます。

床下の調査は「点検口」から

多くの戸建て住宅には床下を見るための点検口が設置されています。

洗面所や台所・和室の畳下などにあることが多く、正方形で取っ手のついたフタがされています。蓋を取り外し、懐中電灯やスマホのライトなどで光を当てて中の様子を確かめてみましょう。

もし地面に濡れた跡がついていたり水溜りができているようなら、何かしらの不具合が発生している証拠です。

ちなみに、蓋を開けると中が収納スペースになっていることもあります。

もしその場合も、内側の箱を持ち上げることで床下をのぞけるようになります。

ホームインスペクションで何が分かる?


多くのホームインスペクション会社では床下の調査がメニューとして含まれていますが、床下の確認においてホームインスペクションを活用するメリットは大きく2つあります。

1つ目は「確かな知識を持った人間が代わりに見てくれる」ということです。

ホームインスペクションは建築士の資格を保有する「住宅のプロ」による調査です。

建物の知識がない人にとって床下は未知の場所であることから、「何もなさそうだけど本当にこれで大丈夫なの・・・?」と思ってしまうかもしれません。

経験豊富なホームインスペクターであれば、指摘事項のサインを正確に見つけ出すことができます。

2つ目は「普通では見られない場所まで見てくれる」ということです。

床下はだだっ広い空間ではなく基礎によって迷路のように区切られており、点検口からざっと見ただけで床下の状況を正確に判断することは難しいです。

実際これまでに調査を行った建物でも、奥の見えない部分で不具合が発生していたケースはたくさんあります。

しかし、一般の方が床下に潜って確かめるのは非常に難しいところだと思います。

プロの手に任せることによって時間や労力を掛けることなく、より高精度な調査結果を手にすることができます。

ただし、進入調査はインスペクション会社によってはオプション制となっている場合もありますので依頼の際は間違いのないように注意しましょう。

さいごに

今回は床下の浸水についてお話ししてきました。

長く住める家を作る上で大切なのは「見えない場所」に注目することです。

多くの人は内装やデザインのおしゃれさに気を取られてしまいがちですが、「縁の下の力持ち」となっている部分にこそ注目してもらえたらな、と思っています。

ホームインスペクションは床下以外にも建物全体を細かく調査して回ります。より詳しい紹介をこちらの記事でも行っていますので興味を持っていただけたようでしたらぜひご一読ください。

 

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。