診断事例
購入直後の中古物件を調査!建物に異常はなかったものの・・・
お客様から「ホームインスペクションを実施したい!」と調査のご依頼いただく背景には、意外とさまざまな理由があります。
その1つが「リフォーム」です。
今回のご依頼主さまも、リフォームを前提に中古物件を購入され、その参考のためにインスペクションを活用したいとのことでした。
とても賢明な判断だな、と思います。
というのも、確かにリフォーム業者さんは改築のプロではありますが、建物の不具合を見抜くプロではありません。
そのことから、建物の状態をしっかり把握しないままリフォームしてしまい、「元々あった雨漏りに気づかずせっかくのリフォームがすぐに台無しになってしまった・・・」となってしまう事例があります。
また、中古住宅の取引においては表面的なリフォームで隠れた不具合を隠そうとするような、明らかな悪意を持った業者も残念ながら存在するくらいです。
こういった事情を考えると、事前にホームインスペクションを実施しておくのは万が一のトラブルを避ける上で非常に効果的であると言えます。
では早速、調査結果について一緒に見ていきましょう。
構造面では指摘が無かったものの・・・
建物の状態は非常に良好で、所々にわずかな経年劣化が見られた以外はしっかりと建てられた印象でした。
ただ、一つ気になった点があります。
それは「断熱材のすき間」です。
確かに断熱材が有ろうが無かろうが、既存の断熱材にすき間があろうが建物としては問題はありません。
ただし、断熱材はその家で快適に暮らす上で非常に大事な材料です。断熱材の性能次第で、夏場の暑さや冬の寒さは大きく変わります。
その積み重ねが光熱費や居住者の健康にまで影響を及ぼすことも、学術期間の研究により明らかとなっています。
そんな断熱材ですが
- 十分な厚み(性能)か
- すき間によって熱が逃げないか?
こういった点が非常に大事なポイントになります。
ホームインスペクションの調査項目は決まりの上では最低限、構造と雨水の侵入に関することのみでも良しとされています。こういった断熱材の状況までしっかりと見るかどうかはそれぞれの調査会社の方針により異なります。
私たちとしては、建物に異常がないかどうかを調べるのはあくまでも「安心して快適に暮らしてもらうため」と考えていますので、その目的に大きな影響を及ぼす断熱材についても指摘をさせていただくことにしています。
事実、断熱材のことを考慮せずにリフォームを行い、「家は新しくなったしキレイな空間で過ごせるようになったけど、なんだかとっても寒い・・・」という声を聞く機会は決して少なくありません。
リフォームは時として、業者さんが売りたいもの・利益になるもの・居住者に受けがいいものだけが提案され、建物の重要なところには意識が向けられないまま工事が進んでしまうこともあります。
そういったリスクを回避するために、インスペクションを活用される方が今後もどんどん増えていけばいいなと願っています。
▼このインスペクターが担当しました!
「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。