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当てはまったら注意!直感で分かる手抜きの兆候

2023.07.19
岩井

WRITER

岩井 数行

二級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築事務所を経て2010年に株式会社テオリアハウスクリニック入社。床下調査や断熱事業での現場経験を活かし、現在は戸建て住宅インスペクション事業に携わる。JSHI公認ホームインスペクター。既存住宅状況調査技術者。蟻害・腐朽検査士。

こんにちは。e-LOUPEの岩井です。

今回は、当てはまったら要注意な手抜き工事の兆候を2つ、お伝えしていきます。

これから内覧会を予定している、という方はぜひ参考にしてみてください。

兆候①:変な匂いがする・湿気ている

建物に入った時に「なんかジメジメしているな・・・」「変なにおいがする・・・」と感じた場合、何かしらの欠陥がある可能性が考えられます。

床下に水が溜まっているのかも

建設中に雨が降って基礎部分に水が溜まってしまった場合、本来であればそれが乾燥するまで待ってから建築を再開するのが望ましいです。

しかし住宅によってはコスト削減と工期短縮のため、床下が水浸しの状態でもそのまま床を貼って施工を続けてしまう場合があります。

これは床下でのカビの原因にもなりますし、もちろん住宅の劣化にもつながります。

完成後の管理方法に問題があった可能性も


売主が建物を適切に管理していなかったことが建物全体に問題を及ぼすこともあります。

たとえば基礎断熱の床下の換気です。

以前お伺いした基礎断熱の物件のお話ですが、床下に進入したところ非常にジメジメしておりカビも発生している状態でした。

原因は床下の換気不足です。

基礎断熱の建物ではその仕組み上、基礎に通気口や基礎パッキンを設置しません。

本来ならば床下の換気を行うために床下換気扇をずっと稼働させる必要があるのですが、施工時に設置されてから内覧会までずっと可動していなかったようで、床下の換気が一切できていませんでした。

構造そのものに問題があるかも

こちらの診断事例でもご紹介していますが、設置が義務付けられているはずの換気の措置が何もないというケースもありました。

当然湿気は溜まり、木材も濡れてカビや腐朽が懸念される状態でした。

近年では断熱材への関心が高まっている傾向にありますが、正しい知識がない状態で施工や設計が行われてしまうと建物にも不具合が発生します。

その不具合の兆候として湿気がサインとなることは覚えておいて損はないのかなと思います。

兆候②:ゴミや汚れが目立つ

もし、引き渡しの時点であちこちにホコリやちりが散らばっているようでしたら要注意です。

通常、新築のお家はキレイにクリーニングされて引き渡されるものです。

それができていないということは、建物そのものにも手抜きがある可能性が疑われます。

見えない場所にも残置物があるかも


見える場所の清掃すら行き届いていないのですから、見えない場所にも残置物があると考えるのは当然だと思います。

施工時の残置物が残されているのは住み始める人にとって気持ちのいいことではありませんし、残置物が原因で建物に不具合を与えてしまうこともあります。

たとえばこちらの事例では雨樋に職人の食べかけのお菓子が詰まってしまっていました。

こちらの事例でも、掃除されずに放置された釘からでたサビが防水層に付着している状態でした。

疑いが強まる見えない場所の施工

たとえ見た目は綺麗に仕上がっていたとしても、見えない部分では手抜き工事が行われている・・・ということはよくあります。

ましてや建物が汚れているようでしたら、より疑いの目を強めるべきだと思います。

例えば浴室の換気扇は点検口を開けて中を除くとダクトが外れていて、浴室の湿気を天井裏内に出しているような状態の場合があります。

また設置する際に換気扇の保護フィルムを剥がさないで施工を終え、湿気を全く吸わない状態になっていることもあります。

ひどいケースだと室内の24時間換気の給気口が全く固定されておらず、押しただけで本体ごと壁から抜けてしまう・・・といった事例もありました。

施工後に一度でも確認を行えば気づくはずですので、それすらも行っていないということになります。

特に”余裕のなさ”をどことなく感じた時ほど注意しましょう。

まとめ


今回は手抜き工事を直感で見分けるポイントをご紹介してきました。

後になって不具合が発覚して後悔してしまわないよう、事前にしっかりチェックしておきたいところですね。

ホームインスペクションは住宅の指摘事項をプロの視点で買主に代わり双方に公平に調査します。

もし興味を持っていただけたようでしたらぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

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