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ホームインスペクションのタイミングを住宅購入の流れで解説!

2022.07.28
大原

WRITER

大原 卓也

一級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築設備会社を経て、株式会社テオリアハウスクリニックに入社。2013年より住宅インスペクション事業に携わる。住宅調査以外にも、不動産会社向けセミナーや建築士対象の研修会の講師も行う。JSHI公認ホームインスペクター。ドローン操縦士。

こんにちは!e-LOUPEの大原です。

「ホームインスペクションを利用するのはどのタイミングが良いんですか?」「このタイミングではもう手遅れですか?」

といったご相談をいただく事がよくあります。

そこで今回はホームインスペクションの「タイミング」についてお話ししていきたいと思います。

引き渡しまでの流れ

流れ
まずは引渡しまでの流れを改めて整理してみましょう。すでに完成されている建物であれば、

物件見学→申し込み→契約→(内覧会)→引渡し→入居

という流れになります。

つまり、ホームインスペクションを利用するとしたら、

  • 申し込み前
  • 申し込み後、契約前
  • 契約後、引き渡し前
  • 引き渡し後

のいずれかのタイミングということになります。

それぞれの場合で行うホームインスペクションについて詳しく解説していきますね。

このタイミングでのインスペクションは有り?

①:申込み前

まず、申込み前のホームインスペクションですが、タイミングとしては適切ではないと言えます。

確かに申し込み前であれば面倒な手続きも行っていませんし何かあった際も安全ではあります。

しかし、そもそも申し込みすらしていない人間の申し出を売主が了承してくれるかは怪しいところです。

また仮にホームインスペクションが可能だったとしても、こちらはその家に対して何の権利も持ち合わせていません。

特に条件のいい家であれば「問題はなさそうだし買おうかな?」と思ったときには既に他の方に購入されてしまっていた・・・となってしまう可能性が大きいです。

申し込み前のインスペクションは現実的ではないと言えるでしょう。

②:申し込み後、契約前

続いて「申し込み後、契約前」ですが、この時期がホームインスペクションのベストなタイミングと言えます。

このタイミングであれば他の購入希望者に先を越されてしまう心配はほぼありません。

もし万が一大きな瑕疵(簡単には直せないような重大な問題)が見つかったとしても契約が成立していませんので購入を中止しようという選択も残されています。

「申し込みの時にお金を払わないといけないんじゃないの?」と思うかも知れませんが、購入を中止する場合は申し込み金を返還してもらう事ができます。

まだ物件を探されている最中だったり、契約をされていない段階であれば可能な限り契約前のインスペクションをおすすめいたします。

ただし、前提としてインスペクションは売主にとって「義務」ではないため、やはり売主側から断られるというケースも0ではない点にはご注意ください。

③:契約後、引き渡し前


では、「すでに契約をしてしまった・・・」「そもそもホームインスペクションの存在を知ったのが契約当日だった・・・」という場合はどうすれば良いのでしょうか。

次にインスペクションのタイミングとして考えられるのは契約後、引渡し前の段階です。

新築の場合、引き渡し前に「内覧会」というものが一般的に設けられています。

内覧会は売主や施工店から建物や設備の説明を受けたり、契約通りに建てられたのか、施工不良や不具合などがないかを確認するための場です。

ここでホームインスペクションを実施することで、引き渡しまでに指摘箇所を直してもらいやすくする事ができます。

逆に引き渡しを受けた後だと、場合によっては対応してくれないこともあります。

引き渡しを受けてしまうと、何か問題があった場合の補修対応については交渉出来たとしても、契約の解除や返金というのは非常に難しくなります。

可能な限り引渡し前にホームインスペクションを実施して状況を確認しておきたいところです。

④:引き渡し後

最後に引渡し後のインスペクションについてです。

ホームインスペクションのベストタイミングである「申し込み後、契約前」からはかなり経過してしまったように思うかも知れません。

とはいえホームインスペクションを実施するには手遅れかというと、そういう訳でもありません。

もし「住んでみてから気になることが見つかって不安になった・・・」という場合は将来の不安の芽を摘む手段としてホームインスペクションが非常に役立ちます。

実際、e-LOUPEのお客様には「引っ越し後にインスペクションのことを知ったけど、一度専門家に見てもらった方が安心と思ってお願いした」という方も多くいらっしゃいます。

日本の新築住宅は品確法「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって10年間「構造耐力上主要な部分」「雨水の侵入を防止する部分」が保証対象となっています。

短期保証でもだいたい2年間は各社で設備や建具、内外装について保証が設けられている事が多いです。

一度契約内容を確認し、もし保証が残っているようであれば急いで実施をするのも手だと思います。

中古住宅の「契約不適合責任」
床下
ちなみに中古住宅でも「契約不適合責任」というものが設けられている場合があります。

売主が不動産業者であれば最低でも2年の保証があり、引渡し後に雨漏れやシロアリの被害があった・・という場合には「直してください」と言える訳ですね。

売主が個人、一般の方の場合は任意となりますが、「3か月」だけでも設けられている場合があります。設備の部分は「7日」が一般的です。

基本的にあまりゆとりがないことが多いので、保証期間内に実施する場合は急いだ方がいいでしょう。                

⑤:保証期間の終了後

では保証期間も過ぎてしまった場合にはホームインスペクションを実施する意義は無いのかというと、それは「ノー」です。

表面上は綺麗な建物でも、見えない箇所では問題が放置されていることも珍しくはありません。

住んでいてもし何か問題や異変に気づいた時はプロの目による調査を早い段階で行うことがおすすめです。

例えばシロアリの被害が起きてしまっていれば日が経つほどに状況は悪化します。

構造部のダメージは耐震性に直結しますし、簡単に直せるものでもありません。

やはり早期発見が大事ということですね。

さいごに


今回はインスペクションを入れるタイミングについて解説していきました。

どの段階で入れるかによってそのメリットも異なりますが、スケジュールや売主様の事情、都合などもあり必ずしも希望のタイミングに入れられるかというと難しい場合もあります。

特に気にいった物件に対しては他の方も狙っている・・ということで契約前に入れる余裕もなかったりすることも見受けられます。

とはいえ、状況を確認しないで住みつづけるにはリスクもありますのでタイミングをみてインスペクションの導入を検討されることをおすすめいたします。

ホームインスペクションについてはこちらの記事で解説していますので詳しく知りたい方はぜひ読んでみてください。

 

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。