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建物状況調査が義務化されても中古住宅は注意が必要な理由

2022.10.31

今回は「建物状況調査の義務化」についてご紹介していきたいと思います。

一般の方が建物状況調査という言葉を耳にするのは恐らく、中古住宅を購入しようとした際に仲介業者から「建物状況調査を実施されますか?」と聞かれた時ではないかと思います。

実はこういうやりとりがされるようになったこと自体、数年ほど前からなのです。

この記事では、果たして建物状況調査の義務化で何が変わったのかご紹介していきます。

建物状況調査の義務化は大きな進歩

実は建物状況調査という言葉が業界に広く浸透し始めた歴史はまだまだ浅く、平成30年に宅建業法が改正されたことから中古住宅の売買契約時などに説明が義務化されてからです。

国としては「中古住宅の流通をもっと活性化させたい」という思惑があり、それを後押しするために作られた制度であると言えます。

これまで中古住宅の購入には、「買ったはいいけど見えない欠陥があり、後で苦労することになった・・・」というトラブルが常に付きまとっている状態でした。

売主側も、「中古住宅なんだから問題なんてあるに決まっている。いちいち文句を言ってこられても困る」といったスタンスの場合が多く、安心して中古住宅を買える状態ではありませんでした。

そう言う意味で、建物状況調査を実施するかどうかを確認することが義務化されたのは、大きな進歩だと思います。

建物状況調査では調べきれない「リスク」があるのも事実

とはいえ、注意しないといけないこともあります。

建物状況調査とは、建物のうち次の2箇所、

  • 構造上の主要な部分
  • 雨水の浸入を防ぐ部分

に問題がないかどうかをチェックするための調査です。

建物状況調査は、「インスペクションガイドライン」という国土交通省により決められたチェック項目に従って行われることになっており、構造上の主要な部分、雨水の侵入に関する部分については、網羅的に現状を把握することができます。

しかし、その結果報告については

  • 不具合あり
  • 不具合なし
  • わからない

という三項目での報告になります。

もし、「どれくらいのレベルの不具合があり、修繕は必要なのか?」「放置しても問題はないものなのか」といった具体的な対策を知りたい方に対しては、少し情報が不足していると思います。

また、床下や小屋裏など調査が難しい箇所については「進入調査」までは建物状況調査に義務付けられてはおらず「点検口からの目視」にとどまっており、実際の調査で確認する範囲は部分的です。

一見して調査結果から何も問題なしと安心したところが、進入していないことから確認出来ていないところで問題が生じているということは普通に起こり得ます。

特に中古住宅は、リフォームを行うことを前提で考えている方が多いと思いますので、見えない箇所での不具合のリスクは非常にシビアな問題のはずです。

調査の信頼性をより確実なものにするには?

もし、建物についてはっきりと知りたいとお考えでしたら、「調査会社が独自に作っている調査メニューでのホームインスペクション」をおすすめします。

それぞれの調査会社では、独自の報告書を用意して、より充実した調査メニューを用意しています。もちろん値段は高くなりますが、その分、調査の精度も上がりますので、より安心感を得ることができます。

今回は、建物状況調査とは何なのか、義務化の狙いやそれにより変わったことなどをご紹介してきました。

建物状況調査を実施すれば、建物の主要な部分について状態を知ることができます。しかし、その結果報告については限られており、より詳しく知りたいと考えている場合は必要最低限の項目に加え、「調査会社が独自に用意している調査メニュー」の活用がおすすめです。

 

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。