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ホームインスペクションのデメリットとは?デメリットを最小限にする方法を解説!
WRITER
鳥居 龍人
二級建築士 e-LOUPEインスペクター
「ホームインスペクション(住宅診断)って、やったほうがいいの?」
「デメリットがあるなら不安…」
結論から言うと、たしかにホームインスペクションには費用や時間がかかるなどのデメリットがあります。ただ、依頼前の準備や業者選びによっては、購入前の不安を和らげたり、物件購入の判断材料になることもあります。
このコラムでは、ホームインスペクションのデメリットやそのデメリットを最小限にする方法について解説しています。
ホームインスペクションのデメリットは?
ホームインスペクションとは、専門的な知識を持った第三者が住宅の状態をチェックするものです。
新築、中古を問わず住宅の購入判断や是正交渉の材料にできる有効な手段として、近年利用する人が増えています。
しかし、一方で「思っていたのと違った」と感じる方も少なからずいます。
そこでまず押さえておきたいのが、ホームインスペクションの代表的なデメリットです。大きく分けると、次の5つです。
- 費用がかかる
- 調査には限界があり、見落としがゼロではない
- 時間がかかり、契約・引渡しに影響することがある
- 指摘事項が出ても直るとは限らない
- 業者で差がある
費用がかかる
ホームインスペクションを行うには、ある程度の費用が必要です。金額は業者や調査内容によって異なりますが、多くの場合は「基本料金」に必要な「オプション料金」を加えた合計で決まります。
内覧会にホームインスペクターが立ち会う同行調査は、目安として10万円前後です。
| 住宅の種類 | 基本料金の相場 | 合計費用の相場 |
|---|---|---|
| 新築戸建て | 5〜7万円 | 11〜13万円 |
| 中古戸建て | 7〜9万円 | 13〜17万円 |
| マンション | 4〜6万円程度 |
また、注文住宅で中間検査まで行う場合は、施工中から引渡しまで複数回の検査となり、合計で40万円前後かかることもあります。
そのため、依頼前にその費用で何を確認できるかを把握しておかないと、あとで「別のことに使えたかも」と後悔しやすいため注意が必要です。
調査には限界があり、見落としがゼロではない
ホームインスペクションは、基本的に家を壊さずに行う非破壊検査が中心になります。壁をはがしたりせず、目視や機材を使用した計測を中心に、確認できる範囲から劣化や不具合がないか調査します。

そのため、壁の中や一部が区切られている床下など見えない部分の不具合は、確認することができません。例えば、雨漏りでも外壁から染み込んでいるものに関しては、壁内部での様子を確認することはできないことから、気付くことが難しい不具合になります。
また、点検口がなく床下や屋根裏に入れない場合は、確認できる範囲が狭くなってしまうため、不具合があっても見つけられなくなってしまいます。
時間がかかり、契約・引渡しに影響することがある
ホームインスペクションは、依頼したらすぐ当日実施できるわけではありません。
一般的には、依頼 → 日程調整 → 現地調査 → 報告書作成という流れになるため、時間に余裕がないと実施することが難しくなります。
そのため、人気物件ではホームインスペクションを入れずに購入するといったような決断が早い人が優先されやすくなってしまい、購入のチャンスを逃すリスクがあります。
また、ホームインスペクションにて不具合が見つかった場合、是正工事に時間がかかり、引渡しに影響することもあります。
不具合が出ても直るとは限らない
ホームインスペクションを行うと、建物の現状を正確に把握することができますが、その結果、不具合が見つかることもあります。
しかし、その不具合が必ずしも直るわけではありません。
特に中古住宅の場合、指摘事項が出ても現状のまま引渡しになっていることが多く、修繕費用は買主負担になることがほとんどです。その結果、指摘が多くて修繕費が想像以上に膨らみ、最悪の場合購入を見送る判断になることがあります。「高い買い物で失敗せずに済んだ」と捉えられる一方で、「住まない家にお金をかけた」と感じてしまうこともあるでしょう。
また、新築住宅でも、大きな不具合が見つかって施工会社と揉めたり、指摘がすべて直るとは限らないケースもあります。
その結果、気になる点を抱えたまま暮らすことになり、モヤモヤしながら生活しなければいけないかもしれません。


業者で差がある
ホームインスペクションは、業者によって調査範囲や価格、経験、知識量が大きく異なります。
たとえば、調査範囲が狭く簡易的なほど、費用は安い業者が多くなりますが、一方で知りたい情報が十分に得られないこともあります。そのため、業者によっては、希望する調査が含まれていない場合もあるため、依頼する際には注意が必要です。
ほかにも、調査を担当するホームインスペクターの経験や知識が少ないと、間違った指摘をしたり、指摘事項をめぐって売主や施工店とトラブルになる可能性もあります。
希望に合う業者を比較して選ぶ手間がかかる点も、デメリットの一つですね。
メリットが上回るケース
ホームインスペクションは全員がすべきとは限りません。しかし、条件によってはやらないリスクのほうが大きくなることがあります。
ここではホームインスペクションをやらないより、実施することでメリットが上回るケースを紹介します。
新築で「施工ミスが心配」「引渡し前に第三者チェックをしたい」
新築住宅でも、施工不良や不具合がまったくないとは言い切れません。
例えば、建具の建付けや壁紙のキズなどの軽微なものから、水漏れや基礎の不具合など今後の生活に影響があるものまであります。
だからこそ「きちんと作られているかを確認したい」「不具合がないか確かめて安心したい」という方にとって、ホームインスペクションは大きなメリットになります。
特に引渡し前であれば、指摘箇所を施工側が是正しやすい場合が多いため、後から対応するよりスムーズに進むことが多いです。
住み始めてからのトラブルをできるだけ避けたい
住み始めてから大きな不具合に気づくと、「これは初期不良なのか」「使い方の問題なのか」「いつから発生していたのか」といった点で見解が分かれやすく、責任の所在や修繕費の負担をめぐってトラブルに発展しやすくなります。
新築の場合、引渡し後もしばらくは定期点検や保証対応などで施工店とやり取りが続きます。
だからこそ引渡し前の段階で、気になる点や不具合を施工店と共有し、「どこまで直すのか」「いつまでに対応するのか」「確認方法はどうするのか」をすり合わせておくことが大切です。
あらかじめ認識を合わせておけば、引渡し後になにか不具合が出ても落ち着いて対応しやすく、余計なトラブルを減らせます。
交渉材料として客観的な資料が欲しい
ホームインスペクションの大きなメリットの一つは、建物の専門家が調査した結果を、第三者の立場から客観的に示してくれるところです。
建築の知識がないと「これって不具合じゃないのか?」と感じても伝えにくいことがあります。
そんな時にホームインスペクションの報告書があれば、不具合の可能性がある場所や理由が整理されるため、交渉や是正依頼がしやすくなります。

中古住宅の劣化や雨漏りリスクが気になる
中古住宅は、新築と違って既に劣化が進んでいることが一般的です。
たとえば、屋根裏の雨漏りや床下で見つかるシロアリ被害、給排水などの設備の不具合は、住み始めてから見つかると修繕が大掛かりになり、費用も膨らみやすくなります。
そのため、購入前にホームインスペクションで「どこにリスクがありそうか」「優先して直すべきか」を整理しておくと、必要な修繕内容と費用感の目安を立てやすくなります。結果として、資金計画に反映できるだけでなく、場合によっては補修の相談や価格交渉、購入を見送る判断に役立てられるのもメリットの1つです。
デメリットを最小化するためには
ここまでホームインスペクションにはデメリットがある一方で、状況によってはメリットが大きくなることを説明してきました。
そこで、次はデメリットをできるだけ最小限にするための事前準備をご紹介します。
- ホームインスペクションを依頼すべきか判断する
- ホームインスペクションを実施する目的を明確にする
- 必要な調査項目について調べる
- 信頼できる業者を選ぶ
この4つの観点から、ホームインスペクションを無駄なく活用するための準備について解説します。
インスペクションを依頼すべきか判断する
ホームインスペクションは、必ずしも全員がやるべきものではありません。そのため、まずは本当にホームインスペクションを依頼すべきか判断しましょう。
以下のチェックリストで当てはまるものがあれば、ホームインスペクションの実施をおすすめします。
□ 購入前に不具合の有無を確認して、安心して引渡しを受けたい
□ 引き渡し後のトラブル(責任や修繕費の負担で揉める等)をできるだけ避けたい
□ 「きちんと作られているか」第三者にに確認してもらい、安心したい
□ 売主・施工店に是正や説明を求める可能性があり、客観的な資料が欲しい
□ 雨漏りや床の傾き、においなど、気になる劣化や不具合のサインがある
□ 築年数が経っていて、劣化が気になる
□ リフォーム歴があり、施工内容や品質について判断しにくい
□ 修繕が必要な場合、費用感の目安を把握して資金計画に反映したい
ホームインスペクションは、これらの悩みや不安を解決するのに役立てることができます。
ホームインスペクションを実施する目的を明確にする
ホームインスペクションを実施するにあたり、特に重要なのは、不安なポイントが具体的にあるかや調査結果をどう使うかが明確かどうかです。
たとえば「購入してから大きな不具合が見つからないか不安」「不具合があったら是正してほしい」「どれくらいメンテナンス費がかかるのか知りたい」といった目的が決まっていれば、診断結果をどう活用するかがはっきりします。
目的が決まっていれば、必要な調査項目や範囲について考えやすくなり、調査結果を今後の判断や是正交渉に活用しやすくなります。
必要な調査項目について調べる
次に、目的に合った調査範囲について調べましょう。
ホームインスペクションは非破壊検査が基本のため、どこまで確認できるかは調査方法によって変わります。
たとえば、見えないところに不具合がないかしっかりと確認したい場合には、屋根裏や床下の進入調査が必要だったり、設備に不安があるなら、給排水や機器の動作確認が必要だなど、気になる点を調べるにはどのような方法が必要なのか、またどのような調査方法があるのかを調べましょう。
必要な調査項目がわかれば、その調査をしてくれる業者を選びやすくなります。
信頼できる業者を選ぶ
必要な調査項目がわかったら、希望の調査をしてくれる業者の中でも信頼できる業者を選びましょう。
ここでは業者選びの際の3つのポイントについて解説します。

- 第三者性
-
ホームインスペクションでは、第三者として公平に見てもらえるかがとても重要です。
もし業者が住宅会社やリフォーム会社と利害関係を持っていると、売主や施工側に配慮して指摘が控えめになり、買主に本当に必要な情報が十分に伝わらない可能性があります。
・施工会社・建築会社・売主から独立しているか
・工事やリフォームを前提とした営業がないか
こうした点を確認することで、客観的な診断を受けやすくなります。 - 業績や専門性
-
ホームインスペクションは、その業者の経験や知識によって調査の精度や満足度に差が出ます。
そのため、診断件数やどのような住宅をよく調査しているのか、その業者だけの強みがあるかについて調べてみましょう。
診断件数が多い業者であれば、さまざまな住宅タイプや状況に対応した経験が豊富である可能性が高く、多角的な視点で問題を発見したり、的確なアドバイスを提供してもらえるでしょう。
悩みがはっきりしている場合は、その専門性が高い業者を探すことをおすすめします。 - ホームインスペクターのコミュニケーション能力
-
ホームインスペクションでは、不具合が見つかったときに、その内容を施工会社へどう伝えるかがとても重要です。
構造のように明らかな不具合であれば、施工会社も対応してくれますが、壁紙の割れや建具のガタつきといった軽微な指摘に関しては、対応が分かれます。また、稀に「施工が不適切だ」「なぜこんなことになっているのか」など強い伝え方をして、施工会社と関係がこじれることがあります。
そのため、ホームインスペクターには指摘事項や伝える必要がある点について、丁寧に共有するコミュニケーション力が求められます。インスペクターの伝え方や対応力を見極めるには、クチコミの具体的な内容だったり、依頼前に電話での受け答えが誠実でわかりやすいかなどを確認するのがおすすめです。
よくある質問
- Q. ホームインスペクションは意味ない?
- A:意味がないわけではありません。建物の専門家が調査することで、客観的に建物の現状を確認することができることは、メリットも多くあります。
しかし、調査したものの不具合がまったく見つからなかった場合、「費用が無駄になった」と感じてしまう人も一部います。
「調査によってなにを知りたいのか」を明確にしておくことが大切です。 - Q. 立会いは必要?当日の流れは?
- A:ホームインスペクションは、内覧会と同時に行うことが多いです。
そのため、当日は買主が建物の説明を受け、物件を確認している間に、調査を行うことになります。調査結果については、その場で共有することで、是正依頼がスムーズに行われることが多いため、立ち会うことをおすすめします。 - Q. 指摘が出たら契約解除できる?
- A:契約解除できるかどうかに関しては、その内容によります。調査結果はあくまで判断材料なので、解除するかどうかは買主の意思決定次第です。契約金をすでに支払っている場合、解約すると契約金は返ってこないため、契約解除の判断は慎重に行いましょう。
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まとめ
ホームインスペクションのデメリットは、主に次の5つです。
- 費用がかかる
- 調査には限界があり、見落としの可能性がある
- 調査結果が出るまでに時間がかかる
- 指摘があっても、必ず修繕されるとは限らない
- 業者によって調査内容や対応に差がある
ただし、これらのデメリットを理解したうえで依頼すれば、必要以上に不安に感じるものではありません。
たとえば、調査範囲を事前に整理しておいたり、信頼できる業者を選ぶといった工夫で、デメリットは大きく軽減できます。
ホームインスペクションを実施するか迷っている方は、まず「調査を行うことで何を知りたいのか」を明確にしておくことが大切です。目的がはっきりしていれば、必要な調査範囲や依頼すべきタイミングも決めやすくなり、費用に対する納得感も高まります。
このコラムを読んで、より安心して物件を購入するための選択肢の1つとして、ホームインスペクションを住まい選びにとりいれていただければ幸いです。
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