e-LOUPEの旬ネタコラム
- 中古戸建て
【中古リフォーム費用】相場から節約術まで完全ガイド|失敗しないためのチェックポイント
近年、住宅購入を検討する際に、新築ではなく中古住宅を選ぶ人が増えています。
中古住宅を自分好みにリフォームすることで、新築よりコストを抑えながら理想の住まいを実現できることから、ますます注目されています。
しかし、そこで多くの方が最初にぶつかるのがリフォーム費用がどのくらいかかるのかという壁です。
このコラムでは、部分リフォームからフルリノベーションまでの費用相場、費用が変動するポイント、そして無駄な出費を抑える方法まで詳しく解説します。
目次
中古住宅リフォームの費用相場を知ろう
中古住宅のリフォーム費用は、工事内容や建物の状態によって大きく変わります。
さらに近年は、物価高やコロナ下のウッドショックの影響などから材料費が軒並み高騰しており、数年前に比べてリフォームの相場も値上がり傾向にあります。
まずは代表的な部分リフォームの相場と、フルリフォーム(リノベーション)の目安を押さえておきましょう。
部分リフォームの相場一覧
部分リフォームは、場所ごとに部品交換や張替えなどが主になります。以下に部分リフォームの施工内容と費用相場についてまとめました。
| 場所 | 施工内容 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 屋根 | 塗装 | 約20~30万円 |
| 重ね葺き | 約30〜40万円 | |
| 葺き替え | 約50〜100万円 | |
| 外壁 | 塗装 | 約100~150万円 |
| コーキングによる防水処理 | 約30〜40万円 | |
| キッチン | 部分交換(水栓や換気扇など) | 約5万円 |
| キッチン交換 | 約50〜100万円 | |
| 周辺の間取りを含む施工 | 約60〜200万円 | |
| 浴室 | 部分交換(水栓や換気扇など) | 約3〜5万円 |
| ユニットバス交換 | 約50〜120万円 | |
| 在来浴室からユニットバスへの変更 | 約70〜150万円 | |
| トイレ | 部分交換(水栓やウォシュレットなど) | 約3〜5万円 |
| トイレ本体交換(洋式→洋式) | 約10〜50万円 | |
| トイレ本体交換(和式→洋式) | 約15万~60万円 | |
| 洗面脱衣室 | 洗面台交換 | 約15万~50万円 |
| 洗濯機の給排水設備交換 | 約10万~20万円 | |
| 乾燥機用ガス配管増設等 | 約5万~10万円 | |
| その他 | 壁紙張替え | 1㎡につき約1,000円~2,000円程度 |
| フローリング張替え | 1㎡につき約4万~7万円程度 | |
| 畳の交換 | 1枚につき約3万円 |
これらはあくまで費用の目安であり、修繕が必要な箇所の劣化状況や変更する設備のグレードによって金額に大きな差が生まれます。
フルリフォーム・リノベーションの費用目安
中古住宅全体を一新するフルリフォームやリノベーションの場合、費用の目安は以下の通りです。
| 築10年程度 | 壁紙や一部設備交換 | 100万円前後 |
|---|---|---|
| 築20年程度 | 壁紙や一部設備交換+外壁塗装、屋根補修など | 500〜600万円前後 |
| 築30年以上 | 建物状況により変動 | 700万円前後 |
費用は追加工事を重ねるほどグレードアップでき、古い住宅でも新築同様の美しさに再生することが可能です。水周り設備の入れ替えや断熱改修、間取り変更などを行う場合は、1,000万円を超えるケースも少なくありません。
ポイント
リフォームはすればするほどグレードアップできますが、その分費用がかさんでしまいます。
最初に「どこまで直すか」、「どんな暮らしを目指すか」を明確にすることが重要です。
費用が大きく変わる3つのポイント
リフォーム費用が高くなるポイントは、主に以下の3つです。
- 築年数や劣化状況
- 間取りの変更の有無
- 設備や素材のグレード
ここでは以上の3つの観点について詳しく解説していきます。
築年数や劣化状況
リフォームを行おうとすると、もちろん築年数が古い建物ほど費用が高くなる傾向があります。
その理由として、建物の各部位には耐用年数があり、築年数が古くなるほど傷みが生じる箇所が増えるため、修繕費用も比例して高くなることがあげられます。
| 外壁 | 8〜15年 |
|---|---|
| 水周りの設備 | 10〜15年 |
| 屋根 | 20〜30年 |
耐用年数は使用状況や立地環境によっても劣化の進行度は異なります。掃除やメンテナンスを行っていなければ劣化は進みますし、日当たりの良い窓際では床材の表面が日焼けして傷むこともあります。
そのため、リフォーム前提で中古住宅を購入する際は、必ず内見を行い、どの程度の修繕が必要かを見極めておくことが大切です。
間取り変更の有無
小さな部屋が多く使い勝手が悪かったりすることから、間取りを変更したいと考える方も多いでしょう。しかし、壁や柱を取り払ってLDKを広げるなど構造に関わる工事は、補強施工や給排水管の位置変更などが必要なケースがあるため費用が高くなる傾向があります。
また、ベランダを部屋として増築する場合、より多くの費用が必要となるため、間取り変更を検討する際は施工業者としっかり打ち合わせをし、費用を把握しておくと安心です。
設備や素材のグレード
設備や材料にはそれぞれグレードがあり、選ぶ内容によって費用が大きく変わります。
たとえば壁紙の場合、一般的な白い壁紙などは「標準タイプ(500番)」と呼ばれ、比較的安価です。一方で、模様入りやキャラクターなどデザイン性の高い「1000番」のシリーズになると価格は上がり、さらに珪藻土などの塗り壁を選ぶと費用は一段と高くなります。
同じように、水周り設備も素材や機能によって価格差が生じます。
たとえばトイレであれば、陶器製か樹脂製か、自動洗浄機能の有無、タンクレスかどうかといった仕様で金額が大きく変わります。
特にキッチンや浴室は、メーカーや機能の違いで数十万円単位の差が出ることも多いため、メーカーのカタログで価格帯を確認しておくと安心です。

物件購入時にリフォーム費用を抑える2つの方法
物件購入時にリフォーム費用を抑えるには、主に次の2つの方法があります。
- 補助金や減税措置を活用する
- 依頼する業者の見積りを比較する
以下でそれぞれを詳しく解説します。
補助金や減税措置を活用する
2025年現在、リフォームに活用できる補助金や支援事業が多数あります。代表的なものとしては、以下のようなものがあります。
【補助金事業】
- 子育てグリーン住宅支援事業
- 先進的窓リノベ2025事業
- 給湯省エネ2025事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
- 各自治体の補助金(※地域によっては未実施の場合もあり)
これらの制度はリフォーム前に申請が必要で、予算枠が限られているため、時期によっては利用できないこともあります。また、対象内容が重複している制度は併用できないケースもあるため注意が必要です。
特に築年数が古い住宅では断熱性能が不足している場合が多いため、「窓リノベ事業」や「断熱リフォーム支援事業」を活用するケースが増えています。

減税制度としては、以下のような支援もあります。
【減税制度】
- 中古住宅ローン控除
- リフォーム減税
- 固定資産税軽減措置
住宅ローン控除は2024年の税制改正により要件が緩和され、築1982年(昭和57年)以降の新耐震基準に適合する住宅であることや、工事を行ってから6か月以内に入居することなどの条件を満たせば使用可能です。
ただし、リフォーム減税や固定資産税軽減措置との併用はできないため、どれを選ぶかは慎重に検討する必要があります。
併用ができない場合は、一般的に住宅ローン控除の活用がおすすめです。
依頼する業者の見積りを比較する
リフォーム費用をなるべく抑えるためには、まず複数の業者に見積もりを依頼して比較することが重要です。特に3社程度に同じ条件で依頼し、費用や提案内容を見比べることで適正価格を把握できます。
ただし、安すぎる業者には注意が必要です。施工の質が低かったり、安価な素材を使うことで、結果的に再工事や修繕が必要になり費用がかさむ場合もあります。そのため、単に価格だけで判断せず、信頼できる業者を選ぶことがポイントです。
業者選びの際に押さえるべきポイントは以下の3つです。
- 同一条件で見積内容を比較する
- 補助金申請に対応できるかどうか
- 会社の設立年数や実績を確認する
上記を参考に比較していただくと選びやすいかと思われます。
特に補助金を利用する場合は、補助金申請の経験がある業者を選びましょう。補助金対応の経験がない業者では、手続き段階で対応を断られることもあります。
また、創立から間もない会社は業界経験が浅く、施工トラブルのリスクも高いため、慎重に検討することをおすすめします。
ポイント
見積もり時には、自分の希望をすべて受け入れる業者よりも、コストを抑えるための代替案や仕様変更の提案をしてくれる業者を選ぶと、結果的に満足度の高いリフォームにつながります。
中古住宅購入+リフォームの流れ
中古住宅を購入してリフォームする場合の流れを、詳しく見ていきましょう。
- 資金計画を立てる
- 物件とリフォーム業者を選ぶ
- 物件の内見を行う
- 購入申し込み・契約
- 住宅ローン審査とリフォーム請負契約
- 住宅ローン契約・物件引き渡し
- リフォーム工事着工と支払い
- リフォーム工事完了・最終確認
- ①資金計画を立てる
- 中古住宅を購入する際は、物件価格だけでなく、リフォーム費用も含めて計画を立てることが大切です。住宅ローンを利用する場合は、リフォーム費用もローンに組み込むのかを検討しておきましょう。
- ②物件とリフォーム業者を選ぶ
- 物件探しとリフォーム業者探しは同時並行すると、今後の計画が立てやすくなります。希望の物件が見つかったら、リフォームを任せられる業者選びも同時に進めましょう。不動産会社から紹介を受けることもありますが、必ず複数社を比較し、自分が信頼できる施工会社を選ぶことをおすすめします。
- ③物件の内見を行う
-
写真や動画だけでは分からない部分も多いため、実際に現地を訪れて確認することが重要です。床の沈みや壁のひび割れ、周辺環境などもチェックしましょう。可能であればリフォーム会社にも同席してもらい、必要な修繕費の目安を確認すると安心です。
また、ホームインスペクションを実施する場合は、このタイミングで依頼するのがおすすめです。見えない部分の不具合も把握でき、修繕が必要な部分の優先度を知ることができます。 - ④購入申し込み・契約
- 購入する物件が決まったら、重要事項説明を受けたうえで契約を進めます。契約内容は必ず確認し、不明点があれば担当者に質問しましょう。契約後のキャンセルでは手付金が返金されない場合もあるため注意が必要です。
- ⑤住宅ローン審査とリフォーム請負契約
- 売買契約後は住宅ローンの本審査を申し込みます。金融機関によってはリフォーム工事の請負契約書が審査時に必要な場合もあるため、事前に施工店へ確認しておくとスムーズです。
- ⑥住宅ローン契約・物件引き渡し
-
金銭消費賃借契約を行います。これは貸主から金銭を借り入れ、後日、元金と同額(利息を含む)を返済することを約束する契約です。その後所有権の移転などを司法書士に確認してもらい、借入銀行にて融資を実行後、売主へ残り代金を支払います。
登記費用や固定資産税等の清算を行えば購入完了です。 - ⑦リフォーム工事の着工代金の支払い
- 多くの場合、工事開始時に一部の代金を着工代金として支払います。20〜50%など支払いの割合は会社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。工事の進捗に応じて分割支払いを行う場合や、完工時に一括支払いするケースもあります。
- ⑧リフォーム工事完了・最終確認
- 工事が完了したら、担当者立ち会いのもと施工内容を確認します。伝えた仕様と違う部分がないか、仕上がりに問題がないかをチェックしましょう。
不安がある場合は、このタイミングで再度インスペクションを依頼すると安心できます。問題がなければ残金を支払い、引き渡しとなります。
ホームインスペクションで判明した隠れ費用
e-LOUPEでも中古住宅のホームインスペクションのご依頼は増えてきています。その中で時々見つけてしまうのが、日常生活では見えない場所にある大きな不具合です。
構造に関わる部分の不具合があると、建物の耐久性に問題が生じ、高額な修繕費用が必要となる場合があるため注意が必要です。
中にはリノベーション済み中古住宅であっても大きな不具合を発見したこともあるため、ここでは実際に確認した事例をいくつかご紹介します。
事例1 直接見なければわからないシロアリ被害

床下への進入調査では、シロアリ被害の有無がわかります。
あるリノベーション物件では、室内には痕跡がなかったものの、床下点検で束から大引きにかけて蟻道と呼ばれるシロアリの通り道が確認されました。
シロアリの蟻道は、構造部の補強や補修を行っていれば見つけられる不具合です。つまり、この不具合から内装だけ綺麗に整えられた物件ということがわかります。
中古住宅の中には内装が新築同様にきれいな物件であっても、いざ床下に潜ってみるとシロアリ被害があるいう事例は少なくありません。
土台や柱を交換する必要がある場合、最低でも数十万〜数百万円の修繕費用が発生するため、買主にとっては大きな負担となります。
事例2 換気扇のないトイレ

リノベーション済みの物件であった例でいうと、トイレに換気扇が設置されていない事例もありました。
換気扇のスイッチはあるのに、なぜかトイレ内には換気扇が設置されていませんでした。天井点検口から確認すると、ダクトが繋がれていない換気扇が施工途中のまま放置されていたため、おそらく施工店による設置忘れと考えられます。
リノベーション工事の際に発生していた不具合であることが分かれば、施工店に再度設置を依頼することができますが、引き渡し後であれば難しい可能性があります。
事前に分かれば対応してもらえる不具合でもあるので、設備系の不具合は内覧会の時点で見つけておきたいですね。
事例3 間取り変更に伴う部材の欠損

間取りの変更に伴い、梁や土台などの構造部材に穴を開けてしまっていた事例を見たことがあります。
特に、キッチンや手洗いなどの水周り設備を新たに2階に設置した物件でたまにあるのですが、梁などの構造部材に穴を開けて配管を通してしまうと、耐震性の面で問題が出てくるため注意が必要です。
梁の補強には、金具による補強と専門業者による大規模な耐震補強工事があります。前者であれば、数千〜数万円でできますが、後者では数十万円〜1,000万円以上と幅広くなります。
補強工事の金額は穴の大きさと開いている場所によって変わります。補強工事の規模については専門的な業者に調査してもらいましょう。
失敗しないリフォーム計画のために
中古住宅リフォームの最大のリスクは、工事が始まってから想定外の修繕が必要になることです。その防止策として有効なのが、ホームインスペクションです。
専門家が建物の構造・劣化状況をチェックすることで、修繕が必要な箇所や将来的にリスクが高い部分を把握できます。そのため、リフォーム費用の見通しが明確になり、安心して計画を進められます。
特に中古物件の場合、心配なのは雨漏れとシロアリ被害による劣化です。これらは床下や屋根裏に進入して検査を行うことで発見出来るため、内覧会だけでは気付けない可能性があります。
e-LOUPEでは、床下・屋根裏の進入検査を基本調査項目に取り入れた検査を行い、リフォーム計画の精度を高めるサポートをしています。
e-LOUPEの中古インスペクションに関する情報はこちらから

まとめ
リフォームは、費用をかけるほど理想に近づけられますが、その分だけ資金計画の重要性も高まります。どの部分を直すのか、どんな暮らしを実現したいのかを最初に明確にし方針を立てることが、失敗しないリフォームの第一歩です。
ただし、リフォーム費用は建物の状態によって大きく変動します。
中古住宅は新築よりも広い物件を手に入れやすい反面、工事段階で想定外の修繕が発生するケースも少なくありません。購入後にシロアリ被害や雨漏りが見つかると、追加費用が発生し資金計画が崩れてしまうこともあります。
こうしたトラブルを防ぐためには、第三者の専門家によるインスペクションを活用するのがおすすめです。中古住宅は多少の劣化があって当然ですが、現状を正しく把握すれば、無駄な出費を抑え、安心して暮らせる住まいづくりにつながります。
理想の中古住宅を手に入れるためにも、まずはインスペクションについて検討してみてはいかがでしょうか。
屋根から床下まで診る!明快料金のインスペクション
シンプルプランで選ぶ必要なし!
Google口コミ4.9業界最高水準
床下・屋根・屋根裏の点検も実施!
創業50年、住宅を知り尽くすプロ
重厚な報告書が将来の宝に
自社社員の建築士が第三者の立場で皆様の新築・中古・自宅を調査。150を超える項目と専用の診断機器を使って家の隅々までチェックします。1974年創業、50年の歴史と7万件を超える戸建て物件の床下・屋根裏調査実績から、おかげさまでGoogle口コミ200件超4.9の高評価をいただいております。

