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中古住宅はリフォームしないでも住める?住宅のプロが解説!

2022.10.29
鳥居

WRITER

鳥居 龍人

二級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築事務所を経て株式会社テオリアハウスクリニックに入社。前職での現場監督経験から、施工から設計まで幅広い知識と経験を持つ。現在はその経験をもとに戸建て住宅のインスペクション業務に携わる。JSHI公認ホームインスペクター。既存住宅状況調査技術者。

「中古住宅はリフォームしないでも住むことができますか?まだ新しそうなのでそのままでも十分使えると思うのですが」

今回はこのような疑問にお答えします。

中古住宅はリフォームしないでも住める?

中古住宅のリフォームを行う主な理由は

  • 前の人が使っていた物をそのまま使えない
  • 古くなっているので新しい物にしたい

などだと思います。

逆にいってしまえば使用感や生理的な点を特が問題にならないのであればリフォームをしないで住んだ方が経済的であるといえるでしょう。

しかし、中古住宅には「主観的な判断でリフォームをするかしないか決める場所」と「客観的な判断でリフォームや補修をしないといけない場所」の2種類があることを覚えておくことをおすすめします。

主観的な判断でリフォームをするかしないか決める場所

中古住宅の買い主の主観でリフォームするかどうかを決める場所としては

  • フローリング
  • クロス
  • 部屋の間取り

などです。これらの場所に共通するのは「内装の見た目の部分」であるということです。

内装はあくまでもそれぞれのライフスタイルにあったリフォームを行うべきですし、逆に「リフォームを行わなくてもそのままでも十分住めそうだ!」というのであればそのままにしておくのも選択の1つと言えるでしょう。

客観的な判断でリフォームや補修をしないといけない場所

中古住宅は「新築からある程度の年数がたった家」です。程度は物件により異なりますが、多かれ少なかれ痛んでいる場所や老朽化が進んでいる場所もあると考えられます。

気をつけないといけないのは「老朽化が建物の寿命に直接影響を及ぼす部位」です。

具体的には

  • 屋根
  • 外壁
  • 床下

などです。例えば屋根や外壁は確かにリフォームを行えば外観を変える事ができますがそちらの側面にばかり意識が向きすぎると「見た目は別にそのままでいいからリフォームはしないでも大丈夫かな」と考えてしまうのではないかと思います。しかし屋根や外壁のリフォームには「雨水の侵入のリスクを減らす」というメンテナンス的な側面もあります。

もちろんメンテナンスや補修を行う必要があるかどうかはそれまでの住人がどのようなメンテナンスを行ってきたのか、保全に気を配って住んでいたのか、などで大きく異なります。

例えば、「屋根のリフォーム」と一概に行っても状況により、表面の塗装のし直しだけでいいのか、下地の修繕を行うべきなのか、屋根材を変えてしまった方がいいのかなど、リフォームの規模は異なってきます。

こう言った部位は「リフォームをやりたいかやりたくないか」という主観ではなく「メンテナンスの時期を迎えているかどうか」「放置するとリスクが高い不具合が存在するかどうか」という客観的な見方も混ぜながら判断を行うべきです。

そのためにも、中古住宅を購入するときには、そう言ったメンテナンス記録が残されているか事前にしっかりと確認をしておく事が大切です。

早めにリフォームしないと手を加えにくくなる場所も

さきほど内装に関する部分は個人の主観で判断して決めてしまっても問題ないとご紹介しましたが、注意しないといけないのは「住み始めると段々リフォームに対する敷居は高くなっていく」という事です。

例えば、「和室を洋室に変更したい」となったときに、住み始める前であれば簡単に行う事ができます。しかし住み始めてから「やっぱりリフォームで変えたい」となったときにはすでに部屋に置かれている荷物を移動させたり、家を業者が出入りする必要があったり、どうしても敷居が高くなってしまいます。

1日、2日で終わるような短期間の工事であれば多少は我慢できるかもしれませんが、工程が長く必要な工事だと大変さを感じてしまうかもしれません。

もちろんライフプランに合わせた長期的なリフォーム計画を立てている方もいると思いますので一概には言えませんが、できるならば中古住宅は住み始める前に行うべきリフォームは全て済ませられるよう、後悔のない選択をしましょう。

中古住宅をリフォームするかしないかを見極めるには

中古住宅は住み始める前に見学しただけでは気づかない部分もあるため、どこをリフォームするべきかの見極めには「現状を正しく把握する事」が大切です。

とは言え「見るべき場所はどこなのか、どのような特徴で判断すればいいのか」などを建物に詳しくない買い主が自分で判断をするのは難しいのではないかと思います。

そこで私たちがご提案させていただいているのが「ホームインスペクション」の活用です。

ホームインスペクションは「住宅診断士(ホームインスペクター)」という特別な資格を持った人が行う建物に不具合がないかどうかを調べる調査です。

建物をくまなくチェックする事で

  • 現在建物にはどのような不具合があるのか
  • 修繕をした方がいいのか
  • それぞれの修繕にはどれくらいの費用がかかるのか

などを正しく把握する事ができます。

まとめ

今回は中古住宅について「リフォームをするかしないか」の判断の仕方についてご紹介してきました。

リフォームには外見だけでなく建物の保全に直結する場合もあるので「メンテナンス」という観点で考える事も大切です。

もし「中古住宅を買おうと思うのでホームインスペクションをお願いしたい」という方は下記のお問い合わせフォームよりご連絡ください。「わからない事があるので教えて欲しい」というご質問も受け付けていますのでお気軽にご連絡ください。

最後までお読みくださりありがとうございました。

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。