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気になる「床の傾き」ホームインスペクションでの調査内容を解説!

2022.04.07
大原

WRITER

大原 卓也

一級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築設備会社を経て、株式会社テオリアハウスクリニックに入社。2013年より住宅インスペクション事業に携わる。住宅調査以外にも、不動産会社向けセミナーや建築士対象の研修会の講師も行う。JSHI公認ホームインスペクター。ドローン操縦士。

こんにちは。e-LOUPEの大原です。今回は「床の傾き」についてお話をしていきます。

建物の傾きといえば、専門家が家の中でビー玉を転がしている映像をテレビで見たことがあるかもしれませんね。

ホームインスペクションでも建物の傾きは構造に関わる重要な調査項目となっています。

私たちがどんな調査をするのか、具体的にどんな数値で判断するのか、詳しく解説していきます。

「傾き」はホームインスペクションでどう測る?

ホームインスペクションでは建物の傾きは、

  • レーザーレベル
  • 水平器

という専用の機材を用いて測定します。

レーザーレベルと水平器とでは役割が微妙に異なります。

というのも、同じ傾斜の測定をする機材には空間の広さにより向き不向きがあります。

そのため、状況に応じて「レーザーレベル」で測定をすることもあります。

ホームインスペクションでの傾きの基準

建物が傾いているかどうかというのは、「数値」で判断されます。どんな建物でも傾きが全くの0というわけではありません。

私たちは「指摘事項となる基準と比べてどの程度か」という観点で建物の傾斜を測定しています。

建物の傾きは千分の○○(1メートルあたり何ミリの傾きがあるか)という単位で測定します。

具体的には瑕疵が存在する可能性について以下となります。

  • 3/1000未満 低い
  • 3/1000~6/1000未満  一定程度存する
  • 6/1000以上 高い

となっています。

既存住宅の調査においては基本的にはこの数値が「6/1000」を上回るようなら指摘事項となります。

新築の調査では「3/1000」以上を目安にしています。

これは私たちを含めた多くの調査会社が「品確法」を参考にしているからです。

傾きの測定はインスペクション会社で異なる


同じ傾斜の測定といっても、実はインスペクション会社で調査方法が異なります。

元々、私たちホームインスペクターが建物を調査するときの項目は国土交通省の「インスペクションガイドライン」を参考にしています。

このガイドラインの中には、必要最低限のインスペクションを行うための項目が明記されていますが、建物の傾きについては、既存住宅では先ほどもご紹介した6/1000を基準としています。

とはいえ、この基準を上回るのかどうか、という一点だけでの判断では不十分な場合もあります。

例えば経年劣化により木材が反ったり、たわみが起きたりと部屋の一部分的に傾斜が起きていることもあります。

ビー玉を置いて転がるからといって、「建物が沈んでいる」と直結するのではなくきちんと傾向を確認して総合的に判断することが望まれます。

逆に、6/1000以下であっても3/1000以上が複数箇所で「同じ方向」へ傾いているのであればその建物が不同沈下などで傾いている可能性もあります。

やはり検査の精度を上げるためには、それぞれの部屋で測定を行った方が確実です。

e-LOUPEのホームインスペクションでは、各部屋での傾斜の測定を行っています。

傾きで指摘事項を発見した事例

これまでホームインスペクションを実施してきた物件でも、新築・中古問わず傾きに関する指摘事項を発見した事は何度かありました。

例えば、傾斜地の中古住宅を調べてみると建物も同じように傾いていたケース、新築でも床で6/1000以上の数値が出て是正工事となったケースなどです。

中には、築1年も経たずに傾きが生じてきてドアが自動で開くようになり、地盤改良が必要となった・・・というケースもあります。

クロスの補修などと異なり、大規模な修繕に発展する可能性もあるのが厄介な点だなと思います。

もちろん、ビスの締め忘れやコーキングの剥がれといった軽微な指摘事項に比べれば滅多にあるケースではありません。

しかしやはり、そういったアクシデントが起こり得るということをまずは頭に入れておいた方がいいかなと思います。

さいごに

ホームインスペクションでは傾きについてどのような調査をするのか、分かっていただけたのではないでしょうか。

万が一傾きがある建物では健康にとても悪影響を及ぼしますし、傾きの原因が地盤の問題であれば万が一の地震でも建物の損壊のリスクも大きくなります。

住み始める前にしっかりとチェックを行い、安心していただくのがおすすめです。

もしホームインスペクションについて興味を持っていただけたようでしたら、こちらのページで詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみてください!

 

「見えないところへの徹底した追求」がe-LOUPEの基本方針です。