e-LOUPEの旬ネタコラム
- 耐震診断
耐震診断・耐震補強での「意外」な見落とし


WRITER
上野山 典之
e-LOUPEスタッフ
ここ数年で各地で起きた地震は様々な被害をもたらしており、これからそう遠くないうちに大地震が高確率で発生することが予想され、報道もされております。そのため、自身で確認する簡易的な耐震診断や、プロの耐震診断、耐震補強工事の実施など、防災に力を入れている方が増えています。いつ起こるかわからない地震に備え、建物を強くするのはとても大事なことです。しかしながら、建物と合わせて気にしてほしいことがもう一つあります。
それは「シロアリ被害」です。
- 耐震診断で安全な数値が出た
- 築年数が新しい
- 耐震補強の工事をした
確かに家自体の耐力は確保され、強くなったかもしれませんが、家を支える柱や土台をシロアリが食べてしまえば強度は弱まります。補強工事として壁内に入れた「筋かい」が食べられることもあります。補強のため取り付けた金物の周囲が食害でスカスカになってしまえば効果も弱まります。
まず耐震診断で床下に入り建物の構造や状態確認に合わせて、シロアリが発生しているか確認しているかもしれませんが、シロアリの調査はただ床下に入って見ればわかるものではありません。
建物の構造によって見るポイントが異なったり、打診や場合によっては機器を使用しなければわからないこともあります。それでも100%の安全というのは無いのです。時として床下調査のプロでさえ見落としそうになるような、ヒヤッとするシロアリの侵入もあります。
※実際に他社で床下調査した物件を弊社で調査したらシロアリ被害を見つけたというケースがいくつもあります。
そのため、「安全だと思って補強に手を出さなかった壁」が被害の見落としにより実は弱点になっていた・・なんてこともあり得るのです。
相手は生き物ですので災害と同様に、いつその被害が起きるかは誰にもわかりません。地震に対して我が家の安全がわかった、補強して安全を確保した・・と安心しておきながら、重要な部材が食べられてしまっては台無しです。地震での被害を減らすためにも耐震診断、補強に合わせてシロアリの予防対策も視野に入れておきましょう。
住まいの安心はまず地震対策から。