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ホームインスペクションでは建築士の資格より経験と調査内容が大切!

2020.08.17
インスペクション
大原

WRITER

大原 卓也

一級建築士 e-LOUPEインスペクター

建築設備会社を経て、株式会社テオリアハウスクリニックに入社。2013年より住宅インスペクション事業に携わる。住宅調査以外にも、不動産会社向けセミナーや建築士対象の研修会の講師も行う。JSHI公認ホームインスペクター。ドローン操縦士。

「ホームインスペクションはやはり建築士の資格を持っている人にお願いしたほうがいいですよね?建築士の人じゃないとしっかりとホームインスペクションができるのか不安です」

このように考えている人は多いのではないかと思います。

実際にe-LOUPEに寄せていただくご質問の中には

「来る人は何の資格を持っていますか?」
「1級建築士の人に来てもらえますか?」

という内容のものがたくさんあります。

結論から申し上げると戸建住宅のホームインスペクションで優先すべきは「資格の有無<実務経験や調査内容」です。

このページを読んでいただくと

  • ホームインスペクションと建築士の資格の違い
  • 求められる建築士の資格の種類
  • 資格よりも実務経験や調査内容が大切な理由

これらについて知ることができます。

ホームインスペクターと建築士の資格

現在日本では、ホームインスペクターとして一定以上の知識や倫理観があることを明示できる民間資格として、JSHI(日本ホームインスペクターズ協会)が個人に対して付与している「JSHI公認ホームインスペクター(住宅診断士)」があります。

この試験は、年齢、性別、学歴に関係なく誰でも受験することができます。一方建築士は国家資格で、受験にも指定科目を取得した上で4年制大学を卒業したり、実務経験を経る必要があります。

そう聞くと中には「付け焼き刃の知識だけの人が検査に来るのではないか」「国家資格である建築士の資格を持っていない人にインスペクションをお願いするのは不安だ」と思う方もおられるでしょう。本当のところはどうなのでしょうか?

インスペクターに建築士の資格は必要?

新築
建築士には様々な種類がありますが、皆さんはその違いをご存知でしょうか。一言でいうと「設計等を行える建物の規模の大きさ」です。

建築士は

  • 1級建築士
  • 2級建築士
  • 木造建築士

の3種類に分類され、その種類に応じて建築物の設計及び工事監理ができるようになります。

確かにマンションのホームインスペクションであれば1級建築士の資格は必須です。しかし一般的な戸建て住宅であれば2級建築士以上には違いが生まれません。

「1級建築士の方がホームインスペクションについてもより精通してるんじゃないの?」

というイメージはあるかもしれませんが、建築士の資格を取得するためにホームインスペクションの実務に関する知識は一切求められません。

2017年に宅建業法が改正され、売買時の説明義務で「ホームインスペクション」についての説明がされるようになり、徐々にホームインスペクションを依頼する業者、売主、買主の方が増えるようになりました。

これと同じで建築士が実務としてホームインスペクションを行ない始めたのもここ最近のお話しなのです。

ホームインスペクションでの建築士の資格の重要性

中古住宅

ここまで読んでいただいた方の中には

「より上位の建築士の資格を持っていた方が様々な建築の業務が行えるようになる分知識にも厚みができるからそれをホームインスペクションにも活かせるんじゃないの?」

と思う人もいるかも知れません。

確かに中にはそういう人もいますが1級建築士なら誰でも自分の業務経験を活かせる訳ではありません。

例えば、これまでビルなどの大規模建築の設計を専門に行なってきた1級建築士が業務で得た知識はホームインスペクションとは別の分野の知識です。戸建て住宅に関する実務経験はとても少ないはずです。

また、1級建築士の資格を取得するのには莫大な時間と費用がかかる上に難易度は年々高まっている現状であることから、「どうせ実務では必要無いから」と、1級建築士の取得をあえて目指さない人も中にはいます。

そのようなことからも、資格だけでインスペクションの依頼として判断をするというのは少し危険かと感じます。「建築士の資格保持」という部分だけを全面に押し出そうとするインスペクション業者には注意が必要です。

ホームインスペクションで建築士の資格より大切な「経験と調査内容」

住宅診断
ホームインスペクションで建物の劣化具合や施工不良を診断するためにより重要なのは「経験」です。

例え1級建築士の資格を持っていないインスペクターでも、それまでの業務で得た住宅診断に関する知識や経験が豊富であれば、信頼することができるでしょう。

例えば、床下に潜っての作業は新築時にはほぼ行うことがないと思われますし、狭い小屋裏での足元に注意しながらの検査も、検査のクオリティーはインスペクターとしての実務経験に依存します。

諸々の指摘事項についても、起きやすい箇所や見落としやすく注意が必要な箇所については、経験を通して覚えていくことが望ましい場合もあります。

実際にこれまで私がインスペクションの実務に携わる中で、ほぼ流し見でたかだか30分程度でインスペクションを終了させてしまっているインスペクターを見たこともあれば、売主様側でインスペクション実施済み物件の再調査をした際に報告されていた以上の指摘事項が大量に見つかったことなどもありました。

現在の日本のホームインスペクション業界は売買の件数に比べ調査員数がまだまだ少ない状況ですが、今後は需要と共にインスペクションを行う人も増えることだと思われます。

しかしそこで注意しないといけないのは、知識が浅く品質の低いサービスを提供するホームインスペクション会社が増えてしまうことです。

まとめ

では、「しっかりとしたサービスを提供してくれるホームインスペクション会社かどうか」はどのように見極めればいいのでしょうか。売主、買主、仲介と依頼される方々は売買というあまり余裕のない期間の中で調査会社を見つけなければならず、サービス内容などを確認する余裕もあまりないことでしょう。

私がおすすめするのは「これまでにどれくらいの実績を築いてきたか」を調べる事です。

現代はホームページや動画サイトなどのプラットホームを利用して情報発信を積極的に行う時代です。過去の事例を紹介する場合もあれば、実際のホームインスペクションの様子を公開している場合もあるでしょう。

これらを利用すれば、「実際にどんな人が調査に来てくれるのか」をイメージすることにも役立ちます。是非積極的に活用してみてください!

また、e-LOUPEでは皆様からの質問も随時受け付けています。「住宅についてわからないことがあるので教えて欲しい」という方は下記のお問合せフォームよりお気軽にご連絡ください。

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